娘の結ちゃん、2歳の誕生日。仕事の帰り道、予約していたケーキを受け取り、花屋できれいなバラを買った帰りの満員電車で男を取り押さえた。犯人と揉みあいになり、せっかくのケーキも花束も台無し。
「びっくりした……すごく勇気がいるよね」
「うん、正直葛藤したよ……でも、結に見えたんだ」
女の子を助けるべきか葛藤したという夫。しかし、唇をぎゅっと噛んで苦しみながら涙をこぼす女の子を見たら、娘が被害にあったように感じてしまった。
女の子を救ったことで、約束が守れなかったと落ち込む夫に妻は?
「お祝いしようと思っていたのに」夫は涙をこぼして…
「結が大きくなったら、こんな感じなのかと思った」
「結がこんな目にあったら耐えられないと思って、気が付いたら動いてた」
女の子の親御さんの気持ちや、女の子の苦痛に感じる時間を思うと助けずにはいられなかったと言う夫。犯人を捕まえようとするのに必死になって、ケーキも花束もボロボロになってしまった。
「あれ以来、毎年ちゃんとお祝いしようと思ってたのに……俺、本当に……」
「カズ君、かっこいいよ」
涙をこぼす夫を、妻はぎゅっと抱きしめた。
家族と娘の誕生日を一緒に祝いたかった。娘も楽しみにしていたのに、自分のとっさの行動で、台無しにしてしまったと悔やみ、涙を流した夫。妻はそんな夫を咎めるどころか、やさしく抱きしめて、「かっこいいよ」と伝えた。
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