まるで海外中継!?テンポのずれた夫の返事
同棲を始めて、休日に家で一緒に過ごしていたときのことです。夫は漫画を読んでいて、私は別のことをしていました。夫に話しかけるも返事がないので、「漫画を読むのに集中していて聞こえてないのかな」と、特に急用でもなかったので諦めると、私が話しかけて20秒ほど経ってから「うん」と夫から返事があったのです。
この、昔の海外中継みたいな会話の『間』に、同棲当初はなかなか慣れず、私はイライラしてしまうことがありました。
集中すると情報処理が追いつかなくなる夫
どうやら夫は、ひとつのことを始めると深く集中してしまい、その他のことに気がまわらなくなるようでした。話しかけた私の声は聞こえていても、いざ返事をする前に、頭の中で整理しなくてはいけない情報が順番待ちをしているような感じなのだとか。
夫からその話を聞くまでは、「無視された」と解釈して私自身、勝手に落ちこんだりもしました。今となっては、のんびり屋の夫が自分のペースを守ってゆっくりと行動している様子は愛おしいのですが、まだ夫のことを詳しく知れていないころは、正直イライラしてしまいました。そして、こんなことでイライラしてしまう自分が嫌で、自己嫌悪に陥ることも多くありました。
むやみに傷つけるのを避けるために
しかし、夫にイライラして私が自己嫌悪に陥る一方で、生活におけるストレスは夫の側にもあったそうです。
ひとつのことに集中するタイプの夫は、家事をするときも同じように、一つひとつじっくりと丁寧にやってくれます。今となっては、おおざっぱな私の目が届かないような部屋の隅々まで掃除してくれたりとありがたい限りなのですが、夫はせかせかと家事をこなしている私の横で、「僕はノロマだ」と落ちこんでいたのだそうです。
夫は何も悪くないのに、私がせかせかしているせいで知らないうちに夫を追いつめていたことが、とてもショックでした。それからは、ことあるごとに「あなたのペースでいいからね」「焦らなくても大丈夫」と言葉に出して、夫を気づかうようにしています。
同棲生活を始めてから、お互いにイライラしたり落ち込んだりすることもありましたが、『お互いの生活リズム』を知れたことはよかったと感じました。何より、相手の行動でわからないことや不思議なこと、心に引っかかることなどはしっかり言葉にして、お互いの考えや気持ちを知ることが大事なんだと学びました。
ただ性格が違うというだけなのに、私たちはお互いに、自分を責めて悲しい気持ちになっていたのです。他人と生活をするということは、思った以上に奥深いものです。だからこそ、常に話し合いができる風通しの良さが本当に大事だと思います。
著者/つちやです
作画/たぐちまり
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