入籍から1年。ささやかな結婚式を挙げるはずが…
30歳のとき、9年間お付き合いしていた夫と入籍しました。当時、私が病気で倒れたこともあり、「人生、何があるかわからないから」と籍を入れることにしたのです。
このときは結婚式は挙げないつもりでしたが、31歳の誕生日を迎えたころ、私は「1年、闘病を頑張った記念に、2人だけでもいいから結婚式を挙げたい」と思うように。そのことを夫に提案すると、難なく賛同は得られたのですが、いかんせん夫も私も懐事情が厳しくて……。それでもなんとか私の貯金から費用を捻出することができ、夫の地元にある定員16名の小さなチャペルを予約しました。
呼んでいないのに夫の親戚は出る気満々!
式が決まったところで、夫がお義母さんに報告。ここまではよかったのですが、なんと、独自の連絡網でもあるのか、瞬く間に情報が夫の親戚中を駆け巡ってしまったのです! しかも、親戚の誰もが「自分は結婚式に呼ばれる」と思い込んでいて、なかには「その日、空けておくから」と、招待状を出す前に連絡してくる人もいました。
予想外だった夫側の出席希望人数に驚き、極力お金をかけずささやかに済ませるはずが、招待客の人数を大幅に増やす方針に変えざるを得ない状況に。
当初、バージンロードを父と歩きたいという思いから私側は父だけ呼ぶつもりでした。しかし、私が交通費を持つことで急きょ、人数を合わせるために地元の友人にも参加してもらうことに。結果、計画していたシャンパンタワーを予算の関係で泣く泣く諦めました。
キスコールで囃し立てる夫の親族
結婚式当日もひと騒動ありました。誓いのキスが恥ずかしかった私たちは、「ほっぺにチューでいいよね」とあらかじめ決めていました。それなのに夫の親類たちが、「はぁ~? なにそれ? キース! キース!」と囃し立ててきたたのです! 私の親がドン引きする中、私たちは仕方なくキスをしました。このとき、私は「近い将来この人とは別れるな」と、予感めいたものを感じました。
この勘は見事に当たって式を挙げてから3年後のこと。また体調を崩してしまった私に対し、夫が「まだ働かないの~」「なんでいつまでも家にいるの~」と圧をかけてきて、それに耐えられなかった私は夫と離婚しました。
「結婚は家と家との繋がり」なんて昭和の話だと思っていましたが、そんなことはないのですね。夫の親族の行動には驚かされましたし、結婚式はまるで理想とはかけ離れたものになってしまいました。そして、結婚する際には、親族の人柄や付き合い方も考慮することが大事なのだと学びました。
実はそのあと再婚した私は、その男性とも別れてしまって現在はバツ2です。しかし、再婚相手との間に授かったかわいい息子がいて、今は息子と2人で幸せに暮らしています!
文/にのみや みささん
イラスト/おみき
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