「信じてたのに！」見た目はチャラいけど誠実な彼。しかし浮気が発覚して？！

 

就職して3年が経ったころ、友だちから紹介された彼は、上等なスーツを着こなしちょっとチャラい印象で、遊んでいそうだと感じたのを覚えています。しかし、話してみると意外と真面目で、仕事熱心な人でした。

 

派手な見た目の理由は外資系の会社に勤めているからとのこと。地味な格好をしていると職場で浮いてしまうようで、気をつけていたとのことでした。第一印象とは違い話しやすく思いやりのある彼は、今まで付き合った人数もそこまで多くありませんでした。そんな彼のギャップに惹かれ、どんどん親しくなり、お付き合いをすることに。

 

付き合ってからもやさしく接してくれて、私のことをとても大切にしてくれていました。記念日もきちんとお祝いをしてくれて、申し分のない彼氏。自慢の彼氏と友だちに自慢するほど、私はすっかり彼を信頼しきっていたのです。

 

彼とのお付き合いも順調で、結婚も考えるようになっていたころ、私と彼の共通の知り合いから「彼が他の女性と歩いていた」という目撃談が入ってきました。最初は、彼の2つ下の妹と歩いていたのではと思いましたが、どうやらそうではなさそうです……。

 

ショックを受けた私は、頭が真っ白になりました。すぐに彼の家に行き問い詰めると、私のあまりの剣幕に驚いたのか、あっさり白状。一緒に歩いていた女性は飲み会で出会った女の子で、2回ほどデートをしたようです。私に黙って飲み会に行ったことや浮気をしていたことに怒りが収まらなかった私は、彼を罵倒し、その勢いで別れの言葉を突きつけました。

 

友だち伝いで私の状態を知ったのか、憔悴しきっている私の様子を心配した彼から謝罪の連絡がありました。連絡がきて少しだけうれしかったですが、それでも私としては彼を許せず、よりを戻すことなく、1年が過ぎました。

あるとき街を歩いていると、偶然彼と再会。お互いに気まずい雰囲気でしたが、彼が心配をして声をかけてくれました。「あのときは本当に申し訳なかった、あの女の子とはあれから会っていない」と。そして「もしよかったらまた付き合ってほしい、次は結婚も視野に入れたい」と言われたのです。

 

心のどこかでうれしさはありましたが、浮気者とやり直すなんて自分のプライドが許さないと突っぱねました。しかし、彼は諦めなかったのです。私がどんなに拒絶しても毎日のように連絡してきて、返信せずにいると家の近くまで来ることもありました。彼からのアプローチはなんと半年以上も続いたのです。

 

最初は呆れていた私でしたが、ついには熱意に根負けしまたお付き合いをすることに。ただ条件として浮気をしたらすぐに別れる、真剣に結婚も考えてほしいことを伝えました。私の言葉に喜んだ彼はすぐに両親に挨拶もし、結婚の日取りも決めてしまったのです。その行動力に私も押され、彼と結婚することを決めました。あれから彼は浮気することもなく、夫婦で穏やかに過ごしています。

 

 

今までの私だったら浮気をした人と結婚なんて考えられませんし、選択肢にも入りませんでした。でも彼の熱意と一緒に居るときの居心地のよさ、相性抜群なところにやられてしまったのです。こんな人ともう二度と出会えないと思うと、勢いにまかせたとはいえ、結婚してよかったです。

 

著者／中野花
イラスト／おみき