11クール目に起きた奇跡
侵入奇胎(※1)を治療するため、抗がん剤治療を始めた月野ねこさん。しかし、1種類目の抗がん剤『メトトレキサート』では思うように効果が出ず、2種類目の抗がん剤『アクチノマイシンD』にシフトして治療を継続することに。
アクチノマイシンDに薬剤を変更してからも副作用は相変わらずつらいままで、私生活では体が思うように動かせず、家事や育児を夫や母に任せきりの状態に。「私の存在は家族にとってお荷物でしかないし、私はダメなママだ。それに、抗がん剤治療がうまくいくかもわからないし……ただただ不安だよ」とネガティブになってしまうことも多かったのですが、それでも不安に耐えながら、外来での抗がん剤投与を4カ月ほど続けた結果……。
※1=侵入奇胎とは、胞状奇胎(異常妊娠・絨毛性疾患の1つ。本来は胎盤になるはずの絨毛が異常増殖し、ぶどうのような粒がたくさん子宮内に発生する)の細胞が、子宮内の筋肉や血管内に侵入した状態のこと。前がん段階といわれている。
アクチノマイシンDでの抗がん剤治投与は、2週間おきに月曜日〜金曜日までの5日間おこなわれます。2月に始めた外来での治療は、6月になって10クール目を迎えていました。4カ月の間、月野ねこさんは抗がん剤のつらい副作用となんとか向き合い続け、HCG(=ヒト絨毛性ゴナドトロピン。胎盤絨毛細胞から分泌されるホルモンのこと。絨毛性疾患の場合はHCG値が高く検出される)値は順調に下がっていきました。
そして迎えた11クール目の1日目、新しく主治医となった医師が突如「今回の11回目のクールで抗がん剤治療は終わりにしましょう」と告げたのです! 医師によると、抗がん剤治療を続けてもこれ以上HCG値は下がらない可能性があり、今後はホルモン剤を使った治療に切り替えるとのこと。
このころの月野ねこさんは、抗がん剤の副作用ですでに髪の毛は抜け落ち、肌は荒れ果てて体重が増え、メンタルはボロボロの状態。今後はそういった副作用が一切なくなり、家族に迷惑をかけた申し訳なさからも解放されると思うと、「努力がようやく報われたんだ……頑張ってよかった」と、ひしひしとうれしさが込み上げきました。
しかし、侵入奇胎はまだ完治したわけではありません。実はこのあと、月野ねこさんが子どもたちと笑顔で暮らせる生活はわずか1カ月で終わりを迎えるのでしたーー。
監修/助産師 松田玲子
月野ねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
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