ホルモン剤治療を始めて1カ月が経過
侵入奇胎(※1)を治療するため、抗がん剤治療を始めた月野ねこさん。しかし、1種類目の抗がん剤『メトトレキサート』では思うように効果が出ず、2種類目の抗がん剤『アクチノマイシンD』にシフトして治療を継続することに。
外来での抗がん剤治療を始めて4カ月が経過したころ、主治医が唐突に「抗がん剤治療は今回で終わりにしましょう」と宣告。今後は、抗がん剤の代わりにホルモン剤を使って治療をしていくことになりました。
つらい抗がん剤治療からようやく抜け出すことができた、月野ねこさん。子どもたちと過ごす穏やかなひとときに幸せを噛み締めていたのですが……。
※1=侵入奇胎とは、胞状奇胎(異常妊娠・絨毛性疾患の1つ。本来は胎盤になるはずの絨毛が異常増殖し、ぶどうのような粒がたくさん子宮内に発生する)の細胞が、子宮内の筋肉や血管内に侵入した状態のこと。前がん段階といわれている。
※2=ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン。妊娠初期に受精卵から尿中に分泌され始め、妊娠10週でホルモン値がピークになるが、通常ではその後、HCG値は下降する。絨毛性疾患の場合はHCG値が高く検出される。
抗がん剤に代わり、中用量ピルでの治療を開始した月野ねこさん。実は、月野ねこさんは以前に低用量ピルを服用していた時期があり、今回中用量ピルを飲み始めるにあたって、そこまで副作用は心配していなかったそうです。しかし、いざ服用を始めると想像以上に吐き気やむくみ、倦怠感などの副作用がひどく、主観では抗がん剤と同じくらい中用量ピルでの治療も身体的に大変だったのだとか。
とはいえ、通院不要で自宅にいながら飲み薬だけで治療ができるようになったことで、家族や子どもたちと過ごせる時間は増えました。確かに体調は万全とはいえないものの、「子どもたちを連れて公園に遊びに行ける『普通』の日常を取り戻せたことが何よりもうれしかった」と、月野ねこさんは語っています。
しかし、そんな穏やかな日々も長くは続きませんでした。ある日、主治医から「ホルモン剤による治療ですが、思うようにHCG値が下がっていません。肺の病変を調べる必要があるので、一度呼吸器外科で診察を受けてください。急ですが、明日受診できますか?」と連絡が入ったのです。
あまりに突然の展開に、嫌な想像だけが膨らんでいきます。不安と恐怖で体が震え、頭が働かず「先生……どうしよう」とアワアワするだけの月野ねこさんを、「しっかりしな!」と旦那さんが落ち着かせてくれました。
「次のステージにいくときがきたんだ」と悟った月野ねこさん。穏やかで幸せな時間は早くも終わりを迎え、またしてもつらい闘病生活が始まったのでした。
監修/助産師 松田玲子
月野ねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!