きれいになりたい! ダイエットで体脂肪率が激減
30代になった私は長年付き合った彼氏と結婚することになり、ウェディングドレスをきれいに着られるようダイエットを始めました。あまり時間的な余裕がなかったので、食事制限でも運動でもかなり負荷の大きいメニューにしていた自覚はあります。働きながら結婚式の準備を進めてダイエットもするのはきつかったですが、その努力が功を奏し、結婚式を迎えるころには10kg以上体重を落とし、体脂肪率も元々の20%から10%に近い状態になりました。
絶食などの極端な制限はしなかったため、体調不良どころか体が軽くなり、やる気が出て体調は良くなったと感じたほどです。しかし、結婚式を終えて2カ月が経過したころ、それまでは1~2日程度しか誤差がなかった生理周期が1週間以上遅れたのです。おめでたかと思って妊娠検査薬を購入し、すぐに検査しましたが、結果は陰性。それからも生理がこなかったため何度か妊娠検査薬を試したものの、結果はすべて陰性でした。
体調には何も変化がありません。結婚して環境が変化したストレスで生理が遅れているのかな?と思ってそのまま放置していたところ、気が付けば生理予定日から3カ月以上も経過していました。
妊娠ではない…? 婦人科に相談することを決意
3カ月以上生理が遅れているのに、妊娠検査薬ではいまだに陰性が出ているため、なんとなく産婦人科にも行きづらい状態です。でも、さすがに気になってきたので病院勤めの友人に頼み、同僚の看護師さんにそれとなく相談してもらいました。
その結果、今の私の状態は妊娠でも単純な生理不順でもない可能性があるので、早めに婦人科で診察を受けたほうがいいと言われたのです。併せて、自分の基礎体温を毎朝チェックするようにアドバイスがありました。そこで、基礎体温を毎朝記録してみたのですが、ほとんど体温の変化がありません。心配になった私は、アドバイスを受けてから2週間後に近くの産婦人科に予約を入れました。
産婦人科でこれまでの経緯を医師に説明したところ、超音波検査とホルモンのチェックを受けることになりました。そして検査後、医師から「無月経の症状になっていますね。女性ホルモン値が男性ホルモン値よりも低くなっていて、このままでは妊娠に支障をきたしかねません」との診断を受けたのです!
一時期はおめでたかと浮かれていた私は、医師の言葉を聞いて顔面蒼白に。軽い気持ちで始めたダイエットによって、自分でも気づかないうちに体を壊してしまっていたのです。
数年の治療を経て…
それからの数年はつらい日々でした。低用量ピルを服用して強制的に生理がくるように促しますが、自然にくる生理とは違い、吐き気やむくみなどの負担が大きかったです。毎月検査をしてもホルモン量があまり変わらず、再び低用量ピルを処方されるという流れに毎回落ち込んでいました。
夫と両親には相談しましたが、孫を一番楽しみにしてくれていた義両親にはどうしても伝えられませんでした。結婚して3年が経っても一向に私が妊娠しないので、義両親も気にはなっていたと思います。すでに私は30代後半に差し掛かっていたので、義両親は年齢的な問題で私が妊娠しづらいと思っていたようでした。
治療を始めてから体重や体脂肪率は徐々に戻っていきましたが、それでもなかなか生理は戻りませんでした。治療を受けてから約5年後、ようやくホルモン量が正常値になり、低用量ピルを使わなくても生理がくるようになりました。あのときの喜びは言葉で言い表せません。
そして、精神的なストレスがなくなったためか、生理が正常に戻ってから1年も経たないうちに子どもにも恵まれました! あのとき、早めに治療を受けていなければどうなっていたかと思うと、今でもぞっとします。
スポーツ選手が生理不順になりやすいという話は聞いたことがありましたが、まさか自分が同じような経験をするとは思いませんでした。低用量ピルでの治療を始めて生理が安定するまでに数年を要したのはまったくの想定外で、孫の顔を見るのを楽しみにしてくれていたお互いの両親には申し訳ないことをしたと思っています。無事に生理も戻り、妊娠することができて本当によかったです。
著者/匿名希望
作画/おみき
監修/助産師 松田玲子
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