「保険を解約→200万のバイク購入」そんな父を見て育った私が、結婚相手に選んだのは

 

私の両親は仲が悪く、私が幼いころから家庭は崩壊寸前でした。その原因は主に父親で、よく問題を起こしては母や私を困らせていたのです。

 

父からは直接的な暴力こそなかったものの「この前行ってきた風俗は楽しかった」と母にわざわざ報告したり、母がコツコツ貯めた学資保険を解約し200万円もするバイクを勝手に購入したりと、とにかくやりたい放題。

 

そして父は私が中学生になったころ、家族を捨てて別の女性のもとに去っていきました。

 

そんな父の姿を見て育った私は「父みたいな人とは、絶対に結婚したくない！」と常々考えるように。しかし、私が好きになる男性は、みんなギャンブル依存や浮気性など問題のある人ばかりでした。結婚したくない男性像はしっかりとあるものの、私にはダメな男を見抜くスキルがまったくなかったのです。

 

「このままでは幸せな結婚はできないかもしれない……」と思っていたとき「結婚を前提にお付き合いをしたい」と言ってくれる男性が現れました。

 

彼のことを素敵だと思っていたものの、自分の見る目に自信がなかった私は、客観的に判断できるよう評価表を作り、チェック項目に沿って彼を分析してみることに。

私がおこなったのは、父が持っていた要素を書き出して当てはまるところがないか、チェックしていくという方法です。チェック項目は「お金のかかる趣味はないか・お酒を飲んだとき、乱暴にならないか・女性関係にだらしなくないか・友人から嫌われていないか」など……。

チェックした結果、父と同じような要素はほぼ見当たらなかったため、私は彼と交際することに決めました。交際してみると、燃えるようなドキドキする恋ではないけれど、彼が持っている安心感こそ私が交際相手に求めていたものでした。そして半年間の交際を経て、私たちはめでたく結婚することになったのです。

 

 

彼と結婚して5年。夫婦喧嘩になることもありますが「父に比べれば、こんなのかわいいものだ」と穏やかに過ごすことができています。過去のつらい経験もその後の生活に活かすことができるのだと、学びました。

 

著者／きさらぎ　あやの