面接に来たのはギャル!?
僕は、地方にある生活雑貨を販売する会社の社長をしています。営業として入社して10年弱で、当時の社長から仕事ぶりを認められ新しい社長に就任。販売だけでなく、ここ5年ほどはリメイク事業にも力を入れています。
社長になってから2年弱が経過し、より一層会社を成長させていくために、新しい人材を入れることにしました。
書類選考は人事部に任せ、僕は面接から参加することに。そんなある日、ある女性の面接のため、僕は人事部長と営業部の社員と一緒に会議室で待機していました。
ドアがノックされ、「お入りください」と言うと、入ってきたのはなんと金髪にジャージ姿の若い女性! 「企業の採用面接にその服装はどうなのか……」とは思いましたが、「人を見た目で判断してはいけない」が先代社長の口癖で、僕はまずは彼女の話を聞くことにしました。
「採用します」と宣言した僕
彼女は着席すると、開口一番に「このような洋服しか持っておらず、申し訳ございません」と謝罪。そして、「私はA子と申します。高卒ですが、やる気と発想力には自信があります」と自己紹介をしました。
彼女の話を聞き終えふと履歴書に目を落とすと、そこには「祖母がやっているA用品店でアルバイト」との文字が。僕はA子さんに、「A用品店でのアルバイトの経験は長いですか?」と質問。「うちは大家族で家が貧乏だったので、小学生のときからおばあちゃんのお店を手伝ってお小遣いをもらっていました」とのことでした。
僕はこの話でピンときて、「あなたを採用します!」と宣言。人事部長、営業部の社員、そしてA子さんもキョトンとした顔をしていました。
採用した理由とは
僕は人事部長に、「わが社がリメイク事業を始めるきっかけをくれたのはA子さんですよ!」と説明。実は今から5年ほど前、わが社は売り上げが低迷し倒産の危機に。先代の社長が死に物狂いで「何か新しいアイデアはないか」と地元のお店を巡っていたところ、偶然A用品店に入ったのです。
そこで社長は、連日の疲れから倒れてしまい、店番をしていたA子さんが介抱。社長が思わず「会社の危機で……」と話すと、彼女は「リメイク事業をやったらおもしろいんじゃない?」と具体的なアイデアをくれたというのです。
僕が「あのときは先代の社長を助けてくれてありがとうございます」とお礼を言うと、A子さんは「あ〜、あのおっちゃんね!」との反応。
社会人としての常識は今後身につけてもらうとして、「彼女の発想力はぜひわが社にほしい」と僕は思いましたが、人事部長は怪訝そうな顔をしたまま。「A子さんの採用に私は反対です。面接にこの格好できて、おまけに高卒。この会社の社風には合いません。採用するのであれば、社長が責任を持って指導してください」と言われてしまいました。
それでも僕はA子さんを採用し、彼女はわが社の仲間になったのでした。
才能を発揮してくれたA子さん
入社後も、相変わらず人事部長はA子さんに対して冷たい態度。一方で、最初こそ会社員としての立ち振る舞いに苦戦していたA子さんですが、すさまじいスピードで仕事のノウハウを吸収し、新しい企画を続々と提案してくれるように。
そして、彼女が企画した商品の第一弾は無事にヒット。人事部長は「まぐれだよ」とA子さんの才能を認めようとしませんでしたが、その後も彼女はヒットを連発し、人事部長もやっとA子さんのことを認めたのでした。
これからもA子さんを含め大切な社員たちと、社会のためになる商品をたくさん生み出していきたいです!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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