その後も、ユーマさん意思疎通がうまくできない日々が続き、アコさんは疲弊していきました。やがてアコさんは眠れなくなってしまって――!?
心療内科を受診した結果…
※誤)ミュニケーション → 正)コミュニケーション
※誤)割り着ればいいんだよ! → 正)割り切ればいいんだよ!
ユーマさんはお願いごとは何でも聞いてくれましたが、アコさんにとって、意思疎通は難しいものでした。
たとえば、「子どもを見ていてね」とお願いすれば、本当に見ているだけ。絵具を床にぶちまけていても、子どもたちが絵具まみれになっていても何もしません。
またあるとき急いでいたアコさんは、「時計見て!」とユーマさんに言いました。時間を教えてほしかったのですが、ユーマさんは時計を見つめるのみ。
すべてを説明しなければ伝わらないことに、アコさんは疲弊してしまいます。
そんな日が続き、アコさんはある夜から、眠れなくなってしまいました。心の不調を感じたアコさんは、心療内科を受診。
診察の結果、「うつになる手前」ということでした。そして、「診断するとしたら今は不安障害で、ノイローゼの一種」だと医師は言いました。
思い当たる原因はあるかと医師に聞かれたアコさんは、夫であるユーマさんとコミュニケーションがうまくとれないこと、わかり合えないことなど、困っていることを伝えました。
深刻な悩みを打ち明けたアコさんでしたが、医師はあっけらかんと言いました。
「男なんてそんなもんだから割り切らないと! お金稼いできてくれる人って割り切ればいいんだよ!」
アコさんは、反論する気力も起こらず苦笑い……。
そして、医師に言われたことはきっと正しいのだろうと、信じるしかなかったのでした。
アコさんはこのとき、時間をかけて検査してもらった結果、うつではないことにはホッとしたと言います。けれども、医師に割り切るよう笑って言われたことはとてもショックだったに違いありません。悪気はなく励ましのつもりだったのかもしれませんが、ますますアコさんが、自分の考えがおかしいのではないかと、自分を責めたり、落ち込んだりしてしまいそうですね。
監修/助産師 松田玲子
作画:鳥頭ゆば