閉経後は心臓病に要注意!
原因はエストロゲンの減少
「閉経後の女性は心臓病が高まる」というのは一体どういうことなのでしょうか?
「女性ホルモンであるエストロゲンには、血管を広げたり、コレステロールの代謝を良くする作用や、老化を防ぐ抗酸化作用など、心臓や血管だけではなく体に対するさまざまな保護作用があります。
閉経するとエストロゲンの働きの一つである動脈硬化を抑える保護作用がなくなります。
すると、高血圧や高コレステロール血症などの生活習慣病が一気に増加し、虚血性心疾患(心臓の筋肉に血液を送る冠状動脈が狭くなったり、塞がったりして、心筋への血液の流れが悪くなり、心筋が酸素不足に陥る状態)などの心臓病も増加してしまいます。
なので、閉経によってエストロゲンの生成が減ってしまった女性は心臓病のリスクが高まるのです」(新田先生)
女性は心臓病に気付きにくい?
あらゆる場所に痛みが出る
閉経後の女性は特に狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患が多いのだそう。
「心臓病の症状として胸に痛みが出ることは多々あります。
ですが、それ以外にも関連痛として顎や喉、歯、背中や肩など体のあらゆる場所に痛みが出ることもあります。吐き気などを感じることもあるといいます。
胃痛を訴えて運ばれてきた患者さんが胃カメラなどいろいろな検査をしても異常が見つからず、最後に心電図をおこなったら心筋梗塞で循環器内科に回されてきた、ということもありました。
心筋梗塞は1分1秒を争う時間勝負の病気なので、痛みの原因を早く特定することが非常に大切です」(新田先生)
男女によって痛みが出る場所が違うことはあるのでしょうか?
「男性の場合は胸の痛みを訴えられる方が多い傾向にあるので、そういった場合、まずは心電図検査をおこないます。
もちろん、男性でも胸以外の場所に痛みが出ることがありますから、男女で痛みが出る場所が違うというわけではありません。
男女差ではなく、個人差によって症状が違っているのです」(新田先生)
心臓病を予防するには?
赤いものを食べるべし!
女性にとって閉経は避けて通れないもの。では、どのようにすれば心臓病のリスクを減らすことができるのでしょうか?
「まずは食事内容の見直しですね。
塩分や糖質、脂質をと摂り過ぎないことが大切です。まず、野菜は食べておいて損はないでしょう。
それ以外に、赤い食べ物は特におすすめです! カニやエビ、サーモンなどに含まれるアスタキサンチンや、トマトに含まれているリコピンには抗酸化作用があるため、動脈硬化を防ぎ、心臓病のリスクを下げてくれます。
ただし、アレルギーがある方は注意して食べるようにしてください」(新田先生)
他にはどのようなことがありますか?
「禁煙はしたほうが良いでしょうね。
アルコールはできる限り飲まないほうがいいです。
それから、1日8000歩以上歩いたり、有酸素運動やスクワットなどのレジスタンス運動(筋肉に繰り返し負荷をかける運動)。テニスなどの無酸素運動は逆に心臓病を悪化させるのでNGです。
1日に5000歩以下しか歩いていない、という方は歩く習慣を身に付けたほうが良いです。
あとはストレスをためないということが重要です。過度なストレスや緊張感は体の負担となってしまいます」(新田先生)
まとめ
心臓病の予防には赤い食べ物が良いのだそう。赤い食べ物は料理の彩りにもなるので、心臓病を予防したいという方は意識して摂取するようにしてみてはいかがでしょうか?
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/ウーマンカレンダー編集室
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