今回も、無数にある「名もなき育児」の中からピックアップした具体例を解説していただきました。
小崎先生が解説! 名もなき育児のリアル
パパは名もなき育児=ママの仕事、と思い込んでいる傾向にあるのだそう。そんな日常に潜む名もなき育児について、小崎先生に解説いただきました。
ケース1:「帰りたくない!」「乗りたくない!」への対応
公園から帰りたがらない子どもの対応に苦労しているママは多いようです。また、保育園や幼稚園のお迎え時も帰るのを嫌がられ、子どもの説得が日課のようになっていることも……。ときには修羅場が繰り広げられることもあるようです。
小崎先生から
「幼稚園・保育園や公園から出たあとも、自転車の後ろや車のチャイルドシートに乗るのを嫌がることもあると思います。ママたちは事前にDVDや子どもの好きなおやつなど、対策グッズを用意したり、事前に子どもと帰る時間の約束をしたり、なかにはあえて満足するまで遊ばせる時間を見積もってお迎えに来るママも。
仕事から帰宅したパパはそんな日中の苦労は知らないかもしれません。帰宅後はお風呂、寝かしつけなどの育児に参加したりすることはもちろん、ママの話を聞くことも大切です。それだけでもママの心の負担は減るでしょう」
ケース2:登園グッズの準備
幼稚園、保育園には毎日いろいろな持ち物を持っていきます。特に年齢が低いうちはおむつの用意や着替えも枚数が多くなって大変な傾向が……。また、新しい持ち物には都度、記名するのを忘れないようにしなくてはいけません。
小崎先生から
「子どもの年齢や施設によっても違いはあると思いますが、おむつやパンツ、着替えセット、靴下、エプロン、タオル、コップ、月曜日は布団カバーとシーツなど、登園には準備するものがいろいろあります。お弁当や体操着が必要な園もあるでしょう。準備は大変ですが、ママは持ち帰った洗濯物を洗ったり、泥んこになった衣類の汚れを落としたり、帰宅後も大忙しです。これにくわえて週末は上履きやシーツなどの洗濯物が。保育園の送迎や洗濯がママなら荷物の準備はパパなど、夫婦で話し合って分担してもよいのかもしれません。準備の際には、記名ができているか、洗濯で落ちていないかのチェックもしっかりおこないましょう」
ケース3:幼稚園・保育園から持ち帰った工作グッズの管理、処分
幼稚園・保育園に入園すると、子どもたちはさまざまな作品やお土産を持ち帰ってきます。全部保管しておくことができたらいいけれど、どんどん増えていくのでどうするか悩んでいるママは多いようです。
小崎先生から
「園では工作する機会が多いので、たくさんの作品を持ち帰ると思います。ある程度たまったら、厳選したものだけを保管したり、一定期間は家に飾ったり、写真に撮って作品は処分したりするおうちもあるでしょう。子どもと話し合って手放すもの、残すものを一緒に決めている方もいます。放っておけば山のようになってしまいますから、なかなか侮れない作業で、多くのママたちの頭を悩ませています。
今はネットにもアイデアがいろいろ出ているので、夫婦で得意不得意もシェアしながら、どうしたいか話し合えるといいですね。家庭の方針やルールを決めるだけでもぐんと負担が減ると思います」
ケース4:クリスマスの欲しい物リサーチ
少し時期は先になりますが、クリスマスにも名もなき育児が。クリスマスというと、前日や当日に注目が行きがちですが、当日盛り上がるのは、事前の準備があってこそ。子どもが欲しい物を聞き出したり、あるいは何をサプライズプレゼントにするかを考えたりするのは、ママとパパの年に1度の重要な役目です。
小崎先生から
「クリスマス前は、さりげなく子どもの希望を聞き出したり、サンタさんが出てくる絵本を読み聞かせたり、サンタさんへのお手紙を一緒に書いたり、プレゼントを用意したりと、年に1度ママとパパが演出家になるときですよね。クリスマス前日、当日が盛り上がるのは、入念な事前の準備あってこそ。子どもが希望するプレゼントが用意できないものだったり、親として望まないものだったりしたときには、子どもと話してうまく調整しておく必要もあるでしょう。ママに負担が偏りがちだと思いますが、ママとパパでしっかりすり合わせをおこなって、準備の過程も夫婦で楽しめるといいですね」
名もなき育児をママ任せにしない
「”名もなき育児”はまだまだ無数にあります。家庭ごとに内容が違うので、夫婦でリストアップしてみましょう」と小崎先生。
「パパは”おむつ替え”、”着替え”、”公園遊び”、”お風呂”、など、名前のつく育児をやってその前後にある名もなき育児はママ任せというケースが多いのかもしれません。着替えた服をそのまま床に置きっぱなし、公園へ行く荷物の準備はしない、お風呂は一緒に入るだけで子どもを拭いたり保湿したりするのはママ……といった具合です。
リストアップはこれらに気が付く良い機会です。一度、名前のある育児の前後には、どんな作業があるのか確認してみましょう。普段スルーしていた”名もなき育児”に気付いたらパパたちにも積極的にやってほしいのはもちろんですが、これらの存在を知って理解すること自体が、ママたちのストレス軽減につながるでしょう」(小崎先生)