ナプキンを常備しない同級生たち
約20年前、スマホはなかった時代。私が中学生のころの話です。
スマホもなければ生理日管理アプリもなく、自分の生理周期を把握している子は、私の周りではごく一部だったように思います。
ナプキンを常備している子も少数で、「急に生理がきたけどナプキンがない!」と困っている同級生がたくさんいました。
保健室に行って事情を説明すればナプキンを1枚もらうことができたのですが、保健の先生から「普段から生理用品を持ち歩きなさい」と怒られてしまうため、まずは友人たちに「ナプキン持ってる?」と聞いている子が多かったです。
母の教えでナプキンを常備していた私のところには、何人もの同級生たちがやってきていました。
「自分で持ってきなよ」なんて言えない
私がナプキンを常備していることが知れ渡っていたのか、他のクラスからも「ナプキンが欲しい」とやってくる子がいたほど。中には「この子、先月ももらいにきたよなぁ……」と何度ももらいにくる子も。貸した子からは「この間はありがとう」と新品のナプキンを返してくれていたのですが、毎回貸すことに、私はなんとなくモヤモヤ。
それでも気が弱かった私は「自分でナプキンを持ってきなよ」なんてとても言えなかったのです。
持ち歩くストックがなくなれば、ナプキンを補充して友人たちに配る日々を送っていました。
肝心なときに…!
そんなある日、学校で突然生理がきた私。
ナプキンを取り出そうと、トイレに持ってきていたポーチの中身を見ると……なんと空っぽ。多い日の昼用はおろか、薄い普通の日用も入っていませんでした。
このときちょうどテスト期間ということもあって、勉強でいっぱいいっぱいだった私は、ナプキンの補充をすっかり忘れていたのでした。
いつもは常備しているのに……! ナプキンをもらいに保健室へ行って叱られるのは、なんだか悔しい気がしました。
しかし、背に腹は代えられないと、ぐるぐる巻きにしたトイレットペーパーをパンツに挟み、保健室へ行ってナプキンをもらったことを覚えています。
スマホアプリで、次の生理日を簡単に把握できるようになったことで、私が学生のときに体験した「ナプキンの貸し借りをする」ということも減ったのではないかなと思います。ナプキンの貸し借りで、私のようにモヤモヤする人が、少しでもいなくなればいいなと思っています。
著者/きさらぎ あやの
作画/ののぱ
監修/助産師 松田玲子
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