閉経しても、おりものはまだ出る!
「閉経するとおりものがまったく出なくなると思っている患者さんが多い」と駒形先生は言います。
「閉経をすると子宮からの粘液は減りますが、腟内の常在菌は閉経と関係なくあります。おりものは雑菌を外へ出す自浄作用があるので、雑菌が入ればおりものは出ます」(駒形先生)
ただ、若いころと比べれば量はかなり減るそうです。
「おりものの量は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌に比例しています。 生理がある場合は排卵のころ、生理と生理の中間あたりの時期には、エストロゲンの分泌が多くなるので、おりものの量が増えるのが普通です。閉経をするとエストロゲンの分泌がほとんどなくなるので、おりものの量もそれに応じて少なくなります」(駒形先生)
大量のおりものが出ても大丈夫?
閉経すると、本来おりものの量は減るということですが、突然大量のおりものが出たら原因はどんなものが考えられるのでしょうか。
「減るはずのものが増えるということは、子宮や腟内で何からの炎症が起きていることが考えられます。特に多いのがカンジダ腟炎です。おりものが多いだけでなくどろっとしたヨーグルト状になったり酒かす状になったりします。特徴的な症状が外陰部の強いかゆみです。ホルモンバランスの変化やストレスで抵抗力が低下すると発症しやすいので、更年期世代もなりやすい病気です」(駒形先生)
なお、カンジダ腟炎は10代からも発症するポピュラーな病気。閉経前でも、強いかゆみがあっておりものの様子がおかしいときは受診したほうが良いそうです。
まれに、がんの可能性も…
カンジダ腟炎以外にも閉経後おりものが増える原因はあるそうです。
「子宮がんや卵巣がん、卵管がんなど悪性腫瘍でもおりものが増えることがあります。その場合は水のようなおりもの、クリーム色の膿のようなおりもの、血液が混ざったおりものが見られることがあります」(駒形先生)
がんの場合、初期症状はほぼ無自覚というのが怖いところ。
「年1回の健康診断で子宮がん検査を受けている人は多いと思うのですが、子宮体がんの検査やエコー検査はオプションになっていて受けていない人も多いのではないでしょうか。費用はかかりますが、エコー検査でしか見つからないがんがあるので、ぜひ受けてほしいと思います。子宮がん検査をしばらく受けておらず、おりものがいつもと違う様子だったら、痛みやかゆみがなくても受診してほしいですね」(駒形先生)
カンジダ腟炎の場合は強いかゆみがあるので受診する人が多いですが、おりものの量の変化だけで自覚症状がない場合は見過ごされてしまうことも多いそうです。
まとめ
おりものは体の変化のサインとよく聞きますが、まさに女性の健康のバロメーター。時に怖い病気が潜んでいることがあるので、いつもと違う様子が見られたら早めに受診しましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/村澤綾香
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取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。