翌朝、レクトについて情報収集するため、お母さんは情報通のママ友に話を聞くことに。ママ友の話によると、レクトが家に遊びに来た際、出していないお菓子やジュースを探して、勝手に飲み食いしてしまったことがあり、「少し変わってる子」とのことでした。
もう1人のママ友は、休日に子どもと公園でハンバーガーを食べようとしていたとき、偶然出くわしたレクトに、「一緒に食べさせて」と言われたことがありました。「家に帰ってごはんを食べな」と言うと、「帰ってもごはんなんてない。食べ残して余ったものをくれ」とお願いするレクト。
結局、ママ友の制止を無視して、残ったハンバーガーを食べてしまい……。
息子とトラブルになった少年は、もしかして…
「レクトくん、いつもおなか空かせているのかな」
「なんていうか、親の影がないんだよね」
「もしかしたら、育児放棄されてるのかもしれないね……」
ママ友の話にお母さんは顔を曇らせました。
「もし育児放棄なら、なるべく関わらないほうがいい。素人が下手に手を出さないほうが……」と話すママ友。
レクトとトラブルになってしまったわが子が心配で、居ても立っても居られなくなったお母さんは、学校へ行ってみようと考えます。
「育児放棄か……。昨日の夫の話でそうかなとは思っていたけど、こんなに身近に……」
今まで身近な話ではなかった育児放棄の可能性に、「ニュースの中の話みたい」と現実味を感じられないのでした。
「レクトくんは育児放棄を受けているかもしれない」と感じたお母さん。家に近づけようとしなかったというお父さんの話や、極端におなかを空かせていたというママ友の話から、育児放棄の可能性を考えてしまっても、やむを得ないのではないでしょうか。ママ友が「素人が下手に手を出したらいけないやつ?」と話していたように、“可能性”だけですぐに行動するのは難しい、デリケートな問題ですよね。身近な子どもが、そのような問題を抱えているかもしれないと感じた場合、皆さんならどうしますか?