友人に物を恵んでもらっていた高校時代
高校時代、ドが付くほどの田舎に住んでいた私は、1時間半もバスに揺られながら高校へ通っていました。私は体格がよく経血量も多かったので、生理の日に混雑するバスの中で押し潰されながら1時間半も揺られているのは本当に苦痛でした。
生理に関してはもっと大変なことがあって、わが家は母子家庭でお金に困っていたため、消耗品である生理用品にかけられるお金は多くありません。
予想以上に生理が長引いたときは、申し訳ないと思いながらも「ごめん、生理が急にきて……」と友だちにウソをついて、ナプキンをもらうこともありました。
母にナプキンを買ってほしいと頼むと…
母親に「経血量が多いから、もう少し多く生理用ナプキンを買っておいてほしい」とお願いしたことが何度もあります。すると、決まって母にはこう言われました。
「あのね、私が学生のころは布ナプキンが普通で、紙ナプキンもこんなに質がよくなかったわよ。質がいい紙ナプキンを使えているだけで恵まれてると思いなさい。そもそも、私は確かに経血量が少ないほうだけど、量が多いからってそんなに使うものなの?」と。
結局、母がナプキンを買ってくれないので、高校では禁止されていましたが、こっそりとアルバイトを始めました。お給料をもらったら真っ先に生理用品の買いだめをして、その後はなんとか友だちに恵んでもらうことなく、やりくりすることができました。
社会人になり、生理用品が買えなくて困ることはなくなりました。それでも生理がくるたび、あのころの記憶がよみがえります。なかなか他人には相談しにくい内容ですし、『生理の貧困』に関する社会的認知度も高いとは言えないのが現状。
もっと生理の貧困について理解が深まり、やさしい社会になってくれることを願うばかりです。
監修/助産師 松田玲子
文/高木 みなさん
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