早くプロポーズしてー!
このとき、彼と交際して約1年半が経とうとしていました。プレッシャーを感じさせてはいけないと自分から結婚の話はしないようにしていましたが、私は今すぐにでも結婚したい、という気持ちでいっぱい。
当時は、夫から「転勤についてきてほしいと思っている」 「年末年始、実家にくる?」など、結婚をほのめかすような言葉を聞かされていたので、そろそろプロポーズされるのでは?とデートのたびに密かに期待で胸を膨らませていました。
しかし、正式なプロポーズがないままクリスマスを迎えることになったのです。
クリスマスのデートでサプライズ
クリスマスプレゼントはお互いに欲しい物を贈り合おう、と事前に一緒に買い物に行ってプレゼントを用意し、ディナー後に交換する予定でした。
当日はクリスマスで賑わう街を散策し、いつもよりも特別な雰囲気の夜景のきれいなお店でディナーを楽しんで……。そして、食後にクリスマスプレゼントを交換。そこまでは予定通りでした。
すると、夫から「もうひとつあるんだ」 と小さな箱が渡されたのです。
「もうこれは絶対プロポーズだ!」と心の中では舞い上がりながらも、私は平静を装います。
しかし、開けてみると中は指輪ではなく、コインロッカーの暗証番号が書かれた紙が入っていたのです。
うれしいけれど
そこでは何も説明されず、彼に連れられるまま、私たちはイルミネーションを見ながら駅に向かいました。私は正直、コインロッカーの中身が気になってイルミネーションどころではありません。
「婚約指輪? でも、婚約指輪だとしたらコインロッカーになんて入れるかな?」などと考えながら、駅にあるそのコインロッカーの前に着いた私たち。
そして、私は先ほど受け取った暗証番号で指定のロッカーを開けてみると、そこには大きな紙袋が。
中身は、事前にプレゼントを買いに出かけたときに自分で買おうか迷っていたパンプスが入っていました。彼は私が「これもいいな」 と話していたのを覚えていて、サプライズでプレゼントしてくれたのです。
そんな夫のやさしさに感動しつつも、プロポーズされると思っていた私にとっては何ともいえない気持ちのクリスマスとなりました。
その後、年明けに念願のプロポーズをしてもらいました。あのころは、とにかく夫と結婚がしたくてしたくて。毎回プロポーズはまだかなとデートのたびにドキドキしていたのも今ではいい思い出です。
子どもを産んでからはスニーカーしか履かなくなったので、プレゼントしてもらったパンプスは履く機会がすっかり減ってしまいました。それでも、夫からもらった大切なプレゼントとして大切にしまってあります。
著者/大岡むぎ
イラスト/もふたむ
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