仕事中に違和感…
高校時代、私は飲食店でアルバイトをしていました。歴は長かったので仕事には慣れていましたが、勤務中、ずっと立ちっぱなしだったことにはなかなか慣れず……。長時間働くと、疲労も溜まりました。
ある日、私はいつも通り学校帰りにバイト先に向かい、あくせくと働いていました。すると、ふと腹部の鈍い痛みに気付いたのです。それと共に下着の中に違和感も。
一瞬で「生理だ」と気づき、「バイト中なのに、今日くるのか……」と私は頭を抱えました。
我慢の果ての悲劇
とはいえ、生理は始まったばかり。幸いおりものシートをつけていたことと、これまでの経験から考えて1日目なら経血量も大したことはないだろうし、生理痛もさほどつらくないだろうと思っていました。
もともと持ち場を離れることが苦手で、無理をしがちな性格だった私は、「まあ、大丈夫だろう」とそれから結局3時間ほど働き続けました。その結果……。
次第に生理痛が強くなり……仕事中でしたがその場にしゃがみ込み、立ち上がれなくなってしまったのです。
バイト仲間の神対応
すぐに社員さんが気付いてくれ、私はそのまま休憩室へ。社員さんに生理がきてしまったことを話し、まさか今日生理がくるとは想定しておらず、ナプキンも鎮痛薬も持っていないことを伝えました。
しかし、社員さんもそのとき生理用品の持ち合わせがなく、2人で「どうしよう……」という空気に。そんなとき、ちょうど休憩室にいた、私と同い年のバイト仲間が「休憩中で動けるから、俺が買ってきましょうか」と言葉をかけてくれたのです!
そして、彼はそのまま近くのドラッグストアへ。
しばらくして帰ってくると、彼は「俺が買ってきたの、嫌だったらごめんね」と袋を差し出してくれました。中には、鎮痛薬、ナプキンに加え、カイロに温かい飲み物まで。確かに、私としては同い年の男子に生理用品を購入してきてもらうなんて……という恥ずかしさがありましたが、なす術なく座り込んでいるしかなかった私には救世主のようでした。
その後、買ってきてもらった薬が効いてきて、再び働ける程度まで回復することができました。彼の行動自体が助かったのは確かですが、それ以上に、特別親しかったわけでもない私のために、事情を知ってすぐに迷わず動いてくれた、彼の思いやりがとてもうれしかったです。つらい生理のときはやはり、周りの人の思いやりが何よりの薬だと感じたのでした。
著者/岸田まみこ
作画/ちゃこ
監修/助産師 松田玲子
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