彼好みの服を着て行ったものの…
その日は、彼と中華街でデートをする予定でした。冬の寒い日でしたが、彼は女の子らしい服が好きだったため、私はミニスカートにブーツをはいて気合を入れた格好で待ち合わせ場所へ。
しかし、案の定待ち合わせ場所からレストランまでの道中はとても寒く、体はキンキンに冷えてしまいました。このとき、スカートの下はタイツではなくブルマとニーハイソックスをはいていただけだったため、余計に体が冷えてしまったのです。
生理中だったため、体が冷えて生理痛もひどくなりなってしまって……。
回転式テーブルで喧嘩に!?
レストランでは、回転式テーブルの席に案内され、2人で料理を分けて食べる形式でした。ただ、食事が始まっても生理痛はおさまらず……。それでも、なんとか耐えながら食事をしていました。
私は生理中に下痢をしやすいタイプで、それが心配で生理中はあまり多く食べることができません。さらに、料理を残したくなかったこともあり、少しの量しかお皿にとりませんでした。
すると、少ししか料理をとらない私に気をつかってか、私の目の前に料理がくるように彼が回転式テーブルを何度も回してきました。それが何度か続いたとき、私のおなかの痛みがピークに!
彼に「トイレ!」とひと言だけ伝え、焦ってトイレへ向かいました。そして私がトイレから戻ると、彼が「そんなに怒ることだった? 太ってないから、ごはんをたくさん食べても大丈夫だよ」 と言い始めたのです。
生理中で思うように楽しめずもどかしい思いをしていたことに、彼の見当違いな発言が加わり、私は心の中でモヤモヤとした黒い感情が一気に高まり……爆発してしまいました。
彼の神的ひと言?
そして、その後は私は彼の言葉をすべて無視して無言で料理を食べ終えました。
しかし、レストランを出てから、自分の態度を反省した私。彼に嫌われたくない思いから涙もあふれてきて、半べそをかきながら早口で 「実は今日、生理でおなかが痛かったんだけど、恥ずかしくて言えなかったの」と、彼に事情を話すことに——。
すると彼は、目を丸くして「ごめん、全然気づかなかった。今日は普段より機嫌が悪くて、まるで猫みたいだなって思ってたよ。これからはデートの前に言ってほしいな」と言ってくれたのです。さらに、生理だと言い出しづらい私に「(生理でつらい日のことを)猫の日ってどう? この言葉なら恥ずかしくないでしょ。今日は、体調悪いのにきてくれてありがとう。無理せずに今日は帰ろう」と、やさしい言葉をかけてくれたのです。
この言葉で、私は肩の力が一気に抜けた気がしました。
お互いの性格をよくわかっていないがゆえの誤解が招いた喧嘩でした。遠まわしの察してほしいという待ちの姿勢ではなく、ストレートに早く伝えればよかったなと強く思いました。最近は、彼が生理周期も把握してくれているので、安心して接することができています。
著者/伊東理恵子
イラスト/アゲちゃん
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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