毎食、意識的に野菜やきのこを食べている
――工藤先生は「むき卵肌ドクター」といわれ、若々しくいらっしゃいます。普段の食生活を教えてください。
工藤先生 食事は朝、昼、晩の3食です。日本人は食物繊維の摂取量が少ないですし、食物繊維は腸活にも欠かせない栄養素ですから、毎食、意識して野菜やきのこを食べるようにしています。
――朝食はどんなものを召し上がるのでしょうか。
工藤先生 本当は和食がベストなのですが、コーヒーを飲みたいので朝はパン食です。パンは白い食パンではなく、ライ麦パンのような茶色いパンを食べるようにしています。
子どもが小さいこともあり、朝は調理の時間があまりないんですね。食事の最初には前日の残りの野菜料理やチーズなどを食べてコーヒーを飲みます。次にパンにいきたいところなのですが、血糖値が急上昇しないよう、一旦、子どもの世話をしたりして5分以上たってからパンを食べます。その後は食物繊維とたんぱく質をとるために、ヨーグルトにグリーンキウイとおからパウダーを入れたものを食べるようにしています。
――昼食の内容も教えてください。
工藤先生 お昼ごはんは大人だけで食べるので、残り物に少し手を加える程度の簡単メニューです。例えば、外食が続いて塩分が気になっているときには、野菜を刻んでオリーブオイルとお酢だけで食べることもあります。家族には好まれない健康的な食事は、できるだけお昼にとるようにしているんです。
――夕食はどのようなものを召し上がるのでしょうか。
工藤先生 基本的には子どもにも喜ばれる食事で、肉料理が多いです。ハンバーグや唐揚げといったAGEsが多いメニューを作ることもあるのですが、家族団らんにはおいしい食事も必要かなと思い、自分の中で許容することにしています。
甘い物が欲しいときにはハイカカオのチョコレートを
――間食をすることもあるのでしょうか?
工藤先生 私の場合、生理前になると甘い物を食べたくなるんです。そうしたときには、カカオ70%くらいのダークチョコレートを食べています。最近はすっかりハイカカオのチョコレートに慣れて、たまにミルクチョコレートを食べるとすごく甘く感じるようになりました。
――ケーキやクッキーのようなお菓子を食べることもあるのでしょうか?
工藤先生 お菓子はおいしいですよね。でも、アンチエイジングなどの勉強をすればするほど、お菓子の糖質や脂質などが気になるようになり、控えるようにしています。でも、お誕生日のような特別な日にはケーキを食べることもあります。時には「おいしい!」と感じることも大切だと思うんです。
――普段の飲み物も教えてください。
工藤先生 基本的にお水かお茶です。コーヒーも好きなのですが、お昼を過ぎたらカフェイン入りのものは飲まないようにしています。
――それはなぜなのでしょうか?
工藤先生 カフェインの効果は5~6時間は持続するといわれているからです。夜、自然な形で眠れるように、カフェイン入りのものはお昼までに飲むようにしているんです。
――工藤先生もストレスがたまることはあるのでしょうか?
工藤先生 もちろん、あります。
――先生が実践している、ストレス解消法やリフレッシュ方法を教えてください。
工藤先生 ストレスを感じたときには、外に出るようにしています。やらなければならないことが山積みで1分1秒が惜しいようなときでも、軽く散歩をして外の風を10分くらい浴びるだけでモヤモヤした感情が薄れていくんですね。自然の力ってすごいなぁって、実感しています。
一つでも生活習慣を変えれば体は変わっていく
――ここまでいろいろな生活習慣を教えていただきました。生活習慣を改善すると、どれくらいの期間で効果を実感できそうでしょうか?
工藤先生 肌の生まれ変わりには4週間程度はかかりますし、特定の食品をとって健康効果を判定する場合でも3週間ほどは様子を見ますから。「前よりも少し調子がいいかも」とうっすらと感じられるようになるまでには、早くても3~4週間はかかるのではないかと思います。
――工藤先生のお話を伺って、若々しさや健康を実現するには、日々の積み重ねが大切なのだということがわかりました。
工藤先生 実は、アンチエイジングの分野は日進月歩で、あと数年もすれば若々しさや健康維持に役立つワクチンなどが開発される見込みがあるんです。そうしたものが一般的になれば、老化に対するアプローチもより良いものになるのではないかと期待しています。
ただ、それまでは日々の生活の中でいろいろな工夫をしていくことが大切だと思うんです。私たちの体の中では毎日、リンゴ1個分のたんぱく質が生まれ変わっていて、100歳の方でも生活の何かを工夫すれば体は確実に良い方向に変わっていきます。まずはできることから一つずつでも、生活の中に工夫を取り入れてもらいたいですね。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/熊谷あづさ
ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。