親が高血圧なら子も高血圧
更年期に入ると高血圧と診断される人は多いものの、すべての女性が前より血圧が高くなるわけではないと駒形先生は言います。
「高血圧は、それまでの生活習慣が大きな原因になります。味の濃いものを好む、間食が多い、寝る前にものを食べるといった食習慣を子どものころから続けていることが、高血圧やその他の生活習慣病を引き起こす大きな要因の一つに挙げられています。食事以外にも運動不足や夜型の生活による睡眠不足なども原因になります」(駒形先生)
ただ、厚生労働省の調査※によれば、高血圧と診断される女性は40代では7.8%に対し、50代になると21.3%と急増します。なぜ更年期になると急増するのでしょうか。
※平成12年第5次循環器疾患基礎調査
女性ホルモンのサポートがないことで悪化
もともとの生活習慣が高血圧の原因ですが、それを助長し、悪化させるのが女性ホルモンの低下だと駒形先生は言います。
「卵巣から分泌される女性ホルモンであるエストロゲンには、血管をしなやかにして拡張させる働きがあります。それまでは、悪い生活習慣を続けていてもエストロゲンのサポートがあったのでなんとか持ちこたえていても、更年期に入ってエストロゲンの分泌が減少すると、血管の柔軟性が低下して、血圧上昇を抑えられなくなるのです。
また、血圧のコントロールをしている自律神経が女性ホルモンのバランスの乱れの影響を受けて、うまくコントロールできなくなることも原因です。ただ、それまで正しい生活習慣を続けていれば、女性ホルモンが低下してもすぐに高血圧になるということは少ないです。大切なのは生活習慣です」(駒形先生)
それまでの自分のおこないが更年期に結果として体に表れるということのようです。
ホルモン補充療法を受けている人は注意
また、ピルやホルモン補充療法を受けている人も高血圧になることがあると駒形先生は言います。
「ピルやホルモン補充療法をおこなっている人の中で、高血圧の副作用が出る方がいます。サプリメントが原因になることもあります。そのときは、一時的に中断をして血圧を観察していきます。婦人科での診断はここまでで、その後の治療は内科を受診しましょう。
健康診断で高血圧という結果が出たら、血圧を毎日測る習慣をつけると良いでしょう。日中は基本的には血圧が高く出ます。起床後すぐと寝る前の1日2回測って、その記録を受診するときに持参すれば、医師が診断しやすくなり効果的な治療が受けやすくなります」(駒形先生)
まとめ
私も48歳で初めて、健康診断で高血圧という結果を受けました。更年期だから……と思っていましたが、それまでの生活習慣が原因と知ってショック。これを機に、食生活をはじめとする生活習慣を見直そうと決意しました。血圧計も買ったほうが良いのかなと検討中です!
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!
取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。