母は生理がきていなかった
母は、私と妹が小学生低学年のときにある病気で子宮を摘出し、そのときから母に生理がこなくなりました。当時は幼かったため、母がいつごろどのような手術をしたのかは覚えていません。
しかし、手術後、摘出した子宮を医師が見せてくれたため、手術によって母が子宮を取ったという記憶は残っています。
そして母に生理がなかったことで、私たちが幼いころ、わが家にはナプキンがありませんでした。そのため、私と妹はナプキンを目にすることもなく生理を意識することもありませんでした。
ある日、妹との会話で…
大人になった私と妹は、最近「お母さんに生理がきていなかったから、保健で習ったり友だちと話したりするまで、生理がどんなものなのかまったく理解していなかったよね」という話になりました。
私は、初潮のタイミングが小学校高学年と平均的で、早くから初潮を迎えている友人が周囲にいたため、生理についてある程度知っていました。
しかし妹は、周囲より早く初潮を迎えていて、友人と生理の話をすることはなく、さらに生理の授業もまだ受けていませんでした。妹が初潮を迎えたタイミングで「生理とはなにか」を母と一緒に教えてあげたと記憶しています。
関心がなかった理由は
当時の私は、生理で経血が出ることやナプキンの使い方は友人から聞いていましたが、それ以上の知識は持っていませんでした。
具体的には、生理はなんのためにくるのか、ナプキンを交換するタイミングなどです。母に聞くという考えを持っていなかった私は、それらを中学生のときに受けた保健の授業で学ぶことになったのです。
妹は、小学校の授業で生理について習ったと言っていましたが、私にはそのような授業を受けた記憶がありません。実際には授業がおこなわれていたのかもしれませんが、そのときの私は生理に関心がなかったのか、小学校で生理の授業を受けた記憶がないのです。
生理に関心がなかったのは、やはり最も身近な存在だった母に生理がきていなかったからかもしれません。どうしても、人ごとのように感じてしまい、当時の私は「生理についてしっかりと学ぼう」という意欲が湧かなかったのかなと思います。
そんな私たちの母は、3年前ほど前に他界しました。他界してから、それほど年月は経っていないものの、最近では母を思い出すことも少なくなってきました。今回、妹との生理の話がきっかけで、母との思い出をふと思い出して懐かしい気持ちになりました。
著者/佐藤里桜
監修/助産師 松田玲子
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