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50代半ばで健康のために腸活開始!毎日納豆を食べていたらまさかの結果に

50代も半ばになり、そろそろ本気で健康管理に取り組もうと「腸活」をスタート。毎日の食事に、身近な健康食材である「納豆」を採用することにしました。腸内環境を整え免疫力アップ、あわよくば美容効果も……と期待を寄せながら意欲的に継続するも、腸活開始2年ほどで体に変調をきたすようになってしまいました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師窪田 徹矢 先生

くぼたクリニック松戸五香院長。獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。
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納豆で腸活スタート!

50代も半ばになり、体に気をつかう年齢に差し掛かったことで、手軽に続けられる健康方法はないかと考える日々。大きな病気やけがをすることなく健康に過ごしてきたものの、誰しも老いにはあらがえないだろう、何かしないといけない! という焦燥感のようなものがあったのかもしれません。

 

ある日テレビを見ていると、腸内フローラを整えること=「腸活」が健康や美容と密接に関わっていると紹介されていました。腸内フローラとは、腸内に生息する多様な菌のこと。この腸内フローラのバランスを整えれば、腸の免疫細胞を活性化でき、免疫力アップだけではなくお通じや肌荒れの改善などにつながるというのです。

 

ただし、腸内環境を整えるにはバランスの良い食事や適度な運動も欠かせません。腸内環境を整えるために食生活や運動量も見直せば、しっかり健康維持できるのでは? と思い、これを機に腸活を決意!

 

食事と運動に配慮し、健康に過ごせる体作りを目標に掲げることにしました。腸活には味噌や納豆、ヨーグルトのほかに、キムチやチーズなどの発酵食品が効果的なのだとか。

 

そこで、毎日の食事に「納豆」を取り入れることにしました。納豆にはキムチやチーズを加えてもおいしく、これで腸内環境を整えられるなんて楽勝! ぐらいに考えていたのです。

 

原因不明の症状に悩まされる日々

おなかを抑えているイメージ

 

元々健康なほうだった私は、腸活を始めてからも体調不良や病気に見舞われることなく、元気に過ごしていました。

 

ところが、腸活スタートから2年ほどたったころ、原因不明のおなかの張りと便秘に悩まされるようになりました。バランスの良い食事や運動も心がけているのに、なぜこんな症状が出るのだろう? まったく心当たりがありません。

 

これまでのやり方では甘かったのか、やはり健康維持とはそう簡単なものではないのだと考え、食事と運動を再度見直すことに。

 

すると、毎日食べている納豆は便秘にも効果的だという情報が入ってきました。それを知った私は、納豆を1日1回から1日3回の摂取に増量。運動量も増やしたし、これでおなかの張りや便秘は解消するだろうと少し安心していました。

 

しかし、いつまでたっても不調が改善されません。こんな変調は今までに感じたことがない、何か気になる……。やむなく受診を決めた私は、近くの内科へ赴きました。

 

 

納豆は逆効果!?

バツマークを押し出す医師のイメージ

 

内科では、ライフスタイルや病歴などの問診後、気になるおなかの張りと便秘の症状を相談。すると、医師に勧められたのは、意外にもピロリ菌の感染を調べる検査だったのです。

 

ピロリ菌に感染している場合、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんなどを発症するケースがあるらしいのですが、私にはこれらの病気の経験はありません。見当違いなことを言っているのでは? と少し疑心を抱くも、念のため検査を受けることにしました。

 

ピロリ菌の検査は、診断薬を用い、服用前後の吐く息に含まれる二酸化炭素の量を測るという方法でおこなわれました。

 

結果はまさかの陽性。ピロリ菌に感染していても、各種症状が出ずに気付かないまま過ごしている方も多いのだとか。

 

おなかの張りや便秘といった症状は、ピロリ菌感染に起因する胃酸の減少による「SIBO(小腸内細菌増殖症)」だったのです。

 

本来、大腸に比べて腸内細菌が少ない小腸ですが、さまざまな要因で小腸内に細菌が増殖してしまうことがあるそうです。増殖した細菌は、食べたものを餌に発酵を始め、多量のガスを発生するため、おなかの張りや便秘などの症状につながります。

 

SIBOの場合、私が健康のためにと毎日食べていた納豆が細菌の餌になってしまい、増殖を助長することに。便秘に効果があると1日3回食べていた納豆は、なんとSIBOの症状を悪化させてしまうため逆効果だったのです。

 

まとめ

SIBOを治療するには、小腸の細菌を増殖させないよう発酵食品などを控える必要があるとのこと。納豆はもちろんNG。今回のケースでは、3週間ほど様子を見て症状が落ち着き次第、徐々に普通の食事を再開するという治療をおこないました。

 

健康に良いと思って食べていた納豆ですが、医師によると、1日3食すべてに納豆を取り入れるのは多過ぎるとのことでした。体に良い食品でも、食べ過ぎは逆効果……。ピロリ菌除去・SIBOの治療を経験し、健康を維持するのは難しいものだと痛感しました。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

取材・文/上川ようこ

イラスト/やましたともこ

 

 

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著者:上川 ようこ

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