人生初の子宮頸がん検診
精密検査を受け、医師に「検査の結果、高リスク型HPVと呼ばれるウイルスが検出されました」と宣告され、子宮の手術を受けることになった生野さん。異常が見つかったきっかけは、これまでずっと避けてきた子宮頸がん検診でした。
※「引っ張っない?」→「引っ張ってない?」
通常、子宮頸がん検診では
①問診(最近の月経や、妊娠・出産経験の有無、病歴などについて質問します)
②視診(クスコ〈腟鏡〉と呼ばれる器具を入れて子宮の入り口を広げ、子宮頸部を観察します)
③内診(腟側とおなか側から手で挟むようにして、子宮や卵巣の大きさを確認します)
④細胞診(専用のヘラやブラシなどで細胞をこすり取り、顕微鏡で調べます)
の4つが実施されます。
子宮頸がん検診は基本的に痛みのほとんどない検査と言われていますが、もちろん個人差はあり、生野さんの場合は少し痛みがあったようですね。
検診で採取した細胞は専門機関に回され、病理検査(顕微鏡で細胞を観察して、細胞の形態が正常か異常かを確認し、異常であればどの程度の異常かを判定する検査)がおこなわれます。その病理検査の結果、生野さんは「Asc-us」であるとの診断が下されました。
Asc-usとは、「意義不明な異型扁平上皮細胞(いけいへんぺいじょうひさいぼう)」とも呼ばれており、細胞の形態が正常ではないが、がんと言い切るまではいかず、子宮頚部異形成(子宮頸がんの前段階)のおそれがある段階です。Asc-usと判断された場合は、さらにHPV検査という精密検査を受ける必要があり、そこでHPVの感染があると判明したときは、正式に子宮頚部異形成と診断されます。
診断書に書かれた「HPV」というのは、ヒトパピローマウイルスのこと。HPVは100種類以上の型があり、少なくともそのうちの13種類に発がん性(高リスク型ウイルスとも呼ばれます)が認められています。特に、子宮頸がんや子宮頸部前がん所見の70%は、16型または18型のHPVを原因としていて、生野さんの場合はこの2つの型は見つからなかったのですが、他の高リスク型ウイルスが見つかったようですね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師 松田玲子
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