長男とは結婚したくなかった理由
長男との結婚を避けようと思ったきっかけは、幼少期の親戚付き合いにあります。
私は田舎出身で、親戚付き合いが活発な環境で育ったため、親戚が集まったらおもてなしで忙しそうに動く伯母たちを見てきました。父方も母方も親戚が多かったので、どちらも親戚が集まると何十人という規模。
ある日、その中でも一番忙しそうに動いている人が、いわゆる「長男の嫁」にあたる伯母だと気づきました。長男と結婚をすると、義実家に気をつかうだけではなく、お盆もお正月もバタバタでゆっくり過ごせないということが、幼い私にはとても衝撃的だったのです。
そのときの衝撃は大人になっても忘れられませんでした。
結婚したい相手は…
そして社会人になり、後の夫となる彼に出会いました。付き合う前に長男だと聞いてはいたものの、「結婚するかはわからないし、とりあえず付き合ってみよう」と軽く考えていた私。
ところが、予想外に交際は順調に進み、徐々に結婚を意識するようになりました。それでも、私は相手が長男ということが気がかりで、「私はよそのお嫁さんみたいにテキパキ動けないと思う」と彼に相談することに。
すると、彼から「うちは親戚付き合いもあまりないし、自分の親もそんなの求めてないよ」と言われたのです。
結婚をするならこの人しかいないと思っていたこともあり、「もし困ったらそのときに話し合おう」と約束をして結婚の話をすすめることにしました。
予想と全然違った長男の嫁
そして始まった結婚生活は、予想とはまったく異なるものでした。
義家族は親戚で集まることが少なく、結婚してから親戚同士で集まったのは義祖父の葬儀と、生後半年の娘をお披露目するために参加したお正月の集まりの2回のみ。そのときも親戚の方からは「お手伝いはいいから、娘さんのお世話をしててね」と気にかけてもらったため、娘のお世話とたまに夫側の親戚とお話をするだけでした。
また、義実家でも、義母は嫁である私ではなく、最初に義妹や夫に手伝うように声をかけるのです。義妹や夫が手伝えないときなどは私に「これしてくれる?」と具体的に指示をくれます。
あまり気が利かない私にとって、何をお手伝いしたらいいのかをはっきりと教えてもらえるのはとてもありがたかったです。
「結婚をしたら、率先して義母のお手伝いをしなきゃ」と緊張していた私は、義実家のやさしさにとても救われたのです。
今では、結婚前の緊張が嘘のように義実家でくつろげるようになりました。もしかすると、義実家では、私に任せるよりも自分たちでやったほうが早いし気楽だという考えがあるのかもしれません。
それでも、長男だからというだけで夫との結婚を諦めなくて良かったなと感じています。これからも、義家族に甘えすぎず、自分にできることは率先して手伝い、いつか義母や義妹のようにテキパキ動けるようになりたいなと思っています。
著者/西山百々
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