孤独を感じたゆのさんの目には涙があふれ、嗚咽してしまいます。すると夫が目を覚ましました。ゆのさんは号泣。そして夫に助けを求めると、夫は黙ってミルクの準備をし始めました。
これまでの経験から、ゆのさんは、「きっとミルクは飲まないだろう」と思いましたが、「飲んでくれないことがわかれば、夫も大変さを理解してくれるかもしれない……」とも考え、とにかく夫に任せることに。寝かしつけに悪戦苦闘する夫を思い浮かべて、にんまりするゆのさん。果たして夫は……!?
妻の悪だくみは…
案の定、ミルクを飲み始めるとゆらちゃんの泣き声が聞こえてきます。
「いつもの寝ぐずり、ギャン泣きだ……」とゆのさんはこれから夫が大変になることを想像してにんまり。
しかし、しばらくすると寝かしつけを終えた夫が戻ってきて、スッと布団に入って寝始めました。
「ゆらさんも夫も寝た……? こんなスムーズに??」
想像もしなかった状況に、驚きを隠せないゆのさん。
「一緒に育児の大変さをわかってもらうはずだったのに……」
ゆのさんはモヤモヤしてしまいました。
翌朝、夫に、昨晩のお礼を言わないといけないと思いつつ、自分も普段言われていないこともあって「ありがとう」のひと言がスムーズに出てきません。「昨日は……」と言い出したものの、とっさに出てしまった言葉は「どうやって寝かしつけたの?」でした。
「大変さや気持ちをわかってもらえるかも」「自分の頭で考えて試行錯誤する。その連続が育児なんだとわかってもらえるかも」と、目論んでいたゆのさんですが、見事に外れてしまいました。助けてもらったからと、夫に寝かしつけてくれたお礼を言いかけますが出てきません。普段自分も夫からお礼を言われていないゆのさん。悔しくて言えなくなってしまう気持ちもわかる気がします。夫婦は距離が近いことから、つい相手がしてくれることを当たり前と思ってしまいがちですが、日ごろから互いに感謝の気持ちを持ち、言葉にする関係でいることが大切なのかもしれませんね。
監修/助産師 松田玲子