義母は会えなかった6カ月間、合鍵から複製した鍵をどう使ったら良いか、ずっと考えていました。
その結果、鍵を使って家の中に入るものの部屋には上がらず、玄関でママの帰りを待つ作戦を実行。
家に戻ってきたママが、「あれ? 開いてる? 閉め忘れたのかな?」と焦りながら玄関のドアを開けました。
ここからが正念場……。
失敗できない義母は「おかえり」と言ってママを迎えるのですが……?
家に入るため“健気で孫を思いやる義母”を演じ…
戸締りしたはずの家の中に義母がいることに驚くママ。
「お義母さん? なんで……?」
久しぶりにママに会えて、顔がニヤけそうになる義母。
顔を隠してなんとか堪えながら、
「ごめんなさいね……家に上がるつもりなんてなくて、これを渡しに来ただけなんだけど……」
と申し訳なさそうに話す演技を始めました。
「インターホン鳴らしても出なくて、ドアノブに引っ掛けて帰ろうとしたら、鍵が開いているのに気づいてね……」
その言葉を聞いたママは、
「だからって……家に上がらなくてもよかったじゃないですか! 非常識ですよ!」
と、“もう家に勝手に来ない”という約束を破られて怒り心頭。
すると義母は、
「ごめんなさい! 愛菜ちゃんの泣き声が聞こえた気がして、慌てて入ってしまったの……」
「でも空耳だったみたいで、ふにゃふにゃ泣いていただけだったから、家の中には入ってないわ。安心して」
と笑顔で嘘をつ来ました。
ここまでの会話は想定内で、何度もシュミレーションしていたのです……。
6カ月間ただママの家に行くのを我慢しているだけではなかった義母。盗んだ鍵からコピーを作っていることを悟られないよう練りに練った計画を遂行するため、自然な会話を心がけて演技しています。ここまでシミュレーションされていると知ったら……ゾッとしますね。