その翌日、塾の授業が終わり、つむ田さんが帰ったのを確認すると、教室の扉を閉めてテストの範囲の改訂版の予定表を配布したオイカリ先生。つむ田さん以外の全員の生徒たちには「このことは誰にも話さないように」と口封じをしたのでした。
クラス分けテストをおこなうと、オイカリ先生のシナリオ通りつむ田さんただひとりが下のクラス行きが確定。つむ田さんはショックでがく然としていると、男子生徒が「つむ田に伝えたいことがある」と呼び止めてきました。
すると、男子生徒はこれまでつむ田さん以外の全員がオイカリ先生から特別授業を受けていたこと、さらにテスト範囲が急に変更になったことを説明。しかし、すべて話し終えると「この話は内緒にしていてほしい」と言ってきて……!?
話をすべて聞き終わると、モヤモヤが止まらなくて…
「このことがバレて下のクラスに落ちたら……
きっとお母さんが悲しむ」
「つむ田に内緒にしてもらわないと、
裏切ったって泣かせることになっちゃう……。
みんなも同じだと思う」
しかし、男子生徒の言葉につむ田さんは反論。
「私だけ下のクラスに落ちて……。
私の親は泣かないと思った?」
「親にも言えない、内緒にして欲しいって言うなら、
なんで私に話したの? ずるいよ。
私にどうして欲しいの?」
つむ田さんの言葉に男子生徒は頭を下げ、
ひたすら「黙っててほしい」と繰り返します。
「そんなこと言われたって……」
予想外の状況にどう対応すればいいのか、
つむ田さんは困り果ててしまうのでした。
複雑な心境の中、勇気を持ってつむ田さんに本当のことを話してくれた三平くん。「黙っててほしい」と泣きながら謝っていますが、”つむ田さんに真実を伝えたい”という気持ちと、”お母さんを悲しませたくない”という2つの気持ちの間で揺れ動いているのが伝わってきます。黙って見過ごすこともできたはずですが、つむ田さんを同じクラスの大切な仲間だと思っていたからこそ、こうやって真実を話してくれたのではないでしょうか。