その翌日、塾の授業が終わり、つむ田さんが帰ったのを確認すると、教室の扉を閉めてテストの範囲の改訂版の予定表を配布したオイカリ先生。つむ田さん以外の全員の生徒たちには「このことは誰にも話さないように」と口封じをしたのでした。
まさかオイカリ先生がそんなことを企んでいるとは知らないつむ田さん。テスト当日に問題を見ると、顔面蒼白になってしまったのですが、なんとか気持ちを持ち直し最後までテスト問題と向き合ったのでした。
その日の午後、テストの採点結果をオイカリ先生がみんなの前で発表することに。しかし、つむ田さんただひとりが合格点に届かず、下のクラス行きが確定。その事実に相当ショックを受けがく然としていると、ひとりの男子生徒が「つむ田に伝えたいことがある」と呼び止めてきて……!?
次々と語られる男子生徒の言葉に衝撃を受けて…
「実は……上のクラスのみんな、オイカリ先生から
毎週土曜日に特別授業をやってもらってたんだ」
「それだけじゃなくて……テスト範囲が
急に変更になったからその対策だって……。
先生が作った今日のテストと内容が似たプリントを
ずっと解かされてたんだ」
驚愕の事実に衝撃を受けるつむ田さん。
「俺たちは特別授業のお陰ですごく良い点数が取れたけど、
その分平均点が上がっちゃって、
つむ田が下のクラスに落ちたんだと思う」
「本当にごめん。俺たちオイカリ先生が怖くて……。
でもつむ田だけが落ちたってさっき聞いて……」
事細かにつむ田さんが知らなかった裏話を
教えてくれた男子生徒。
しかし……。
「でも、これ内緒にして欲しいんだ。
親に言いたくない。お母さんがきっと悲しむ」
事情をすべて話し終わると、
必死になってそう訴えてきたのでした。
三平君はつむ田さんだけがテストに落ちたということを聞いて、罪悪感から居ても立っても居られなくて話したのだと思います。しかし、つむ田さんからすると、逆に話されたことでモヤモヤが残ってしまったようですね……。こうなってしまった原因は、すべてオイカリ先生にあるわけですが、どうして被害者である三平君やつむ田さんが、こんなに怯えたり傷つかなければならないのでしょうか。本来勉強に集中しなければならない生徒たちが先生に振り回される形になってしまって、本当に不憫でならないです。