丸田さんが選んだのは、ヘルニアが見つかった右側のみにメスを入れる日帰りの手術でした。その日の夜、病院から渡された書類に目を通すと、子どものそけいヘルニアに関することが書かれていました。そけいヘルニアは先天性の病気で、1歳までに症状が出ていた可能性があると知った丸田さん。まるちゃんを見てあげれていなかったのか、妊娠中に無理をしたからそけいヘルニアになったのか……丸田さんは自分を責め続けてしまうのでした。数週間後、手術の事前説明を受けることになり……!?
落ち込み、悩んだママは自分の気持ちを前に向け…
自分を責める丸田さんは、手術の同意書を読み始めました。手術をする部分の周囲には、重要な臓器があり、手術の際に損傷することが皆無ではないと書かれていました。さらに内出血による血腫形成や感染など、術後合併症が生じる可能性についても注意書きがあり、手術に伴うリスクを知った丸田さんはしばらく落ち込んでしまいます。
丸田さん自身は、今までに大きな病気や怪我もなく、唯一手術したのは緊急帝王切開になったとき。一刻を争う事態だったため、同意書を事前にしっかり読むことはなく、産後に読んでも“もう終わったこと”であり、こんなふうに想像することはなかったのです。
そして数週間後、他の何組かの親子も一緒に参加する、そけいヘルニアの手術の合同説明会が開かれました。参加しているのは、まるちゃんより小さい子、元気そうな男の子に女の子……想像より多い人数でした。
そけいヘルニアのことを丸田さんが周りの人やフォロワーさんに打ち明けると、過去に自分や家族がそけいヘルニアだったと言う方の経験談を聞かせてもらうことができました。そして、そのとき初めて知ったのが、丸田さんのお母さんも、実は幼少期にそけいヘルニアの手術をしていたのです。
「手術を乗り越えた人は皆、元気に毎日を過ごしている。娘にもそうなってもらいたい。きっとそうなる――」
たくさんの人の話を聞いた丸田さんは、まるちゃんを不安にさせないため、自身の気持ちを奮い立たせるのでした。
手術日までに時間があるほど、親は自分を責めたり手術に伴うリスクについて考えすぎてしまったりするかもしれません。でも、過去にそけい手術を受けた人たちが、今は元気になっているという生きた証拠があります。きっとまるちゃんも元気になれるはず。
すべてを理解することは難しいかもしれませんが、まるちゃんも手術を前向きに受け止めて、頑張ってほしいですね。