原因不明の体調不良は食事が原因かも
肌荒れや便秘、疲れやだるさなど、受診するほどではないけれど調子が悪い、また、受診しても原因がわからないなど、原因不明の体調不良は誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。体調不良の一因として、遅延型アレルギーが関係していることがあると黒田先生は言います。
「一般的に知られるのは卵、牛乳、小麦などによる即時型アレルギーですが、栄養療法や予防医学をおこなうクリニックでは、遅延型アレルギーを検査することができます。即時型アレルギーが食べてすぐに症状が出るのに対し、遅延型アレルギーは6~24時間と遅れて症状が出るのが特徴です。
肌荒れや湿疹、疲れやだるさ、下痢や便秘、鼻炎、生理痛などハッキリとしない症状が多いため、食物アレルギーとは知らず原因食物を食べていることがほとんどです。
遅延型アレルギーによる症状は、ある特定の食物が腸内で正常に分解されずに炎症を起こすことでミトコンドリア機能が低下することから起きます」(黒田先生)。
ミトコンドリア機能とはどんなものなのでしょうか。
「体の中には60兆くらいの細胞があって、その細胞の中にミトコンドリアというエネルギー産生器官があります。ミトコンドリアはATPというエネルギーを作って、私たちの行動や生命を維持し、支えてくれているのです。
しかし、加齢などミトコンドリア機能が低下すると活性酸素処理能力が低下し、体内に炎症が起きたり、疲れやすくなったり、消化不良になったりと生命活動も低下してしまいます」 (黒田先生)。
どんな食品が遅延型アレルギーを引き起こす?
遅延型アレルギー は、どんな食品が原因になることが多いのでしょうか。
「乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)、卵、豆類、ナッツ類、米、小麦、酵母(イースト、パンなど)などがあります。私も何度か検査を受けましたが、乳製品や卵黄などが陽性になりました。乳製品は今でも控えるようにしています」(黒田先生)。
実際に検査を受けたいときはどうすればいいのでしょうか。
「栄養療法や予防医学をおこなっているクリニックで受けることができます。検査会社がいくつかあるので、調べられる食品や費用はそれぞれです。食品は100~200種類、費用は4~5万円程度です。調べる食品の数で費用が決まってきます。血液採取で検査をし、3週間ほどで結果が出ます」(黒田先生)。
病気や老化を防ぎたい人は注目
検査結果では、ほとんどの人がなんからの食品に陽性反応が出るそうです。しかし、 ほとんどの人が遅延型アレルギーに気が付かないということで、日常生活を送れていれば気にしなくてもいいのでは、と思ってしまうのも事実……。
「その方の健康観にもよりますが、予防医学・アンチエイジングの観点から言えば遅延型アレルギー検査は受けたほうが良いと考えます。
例えば、私もトライアスロンのアスリートですが、スポーツをしている人は健康かというと、実は腸内環境が悪い人は多いです。たとえ自分で気が付かなくても遅延型アレルギーを抱えている人はたくさんいらっしゃいます。治療を受けた方は、これが本当の健康なのかと実感されています」(黒田先生)。
検査後は食事指導をおこない、主に腸内環境を整えるサプリメントを処方するそうです。
まとめ
病気や老化を防ぐには、まず自分の体の状態を知ることが大切。健康のためにと食べていた食品が、実は体調不良を引き起こす原因だったということもよくあるそうです。アンチエイジングや予防医学に興味がある方は、検討してみてはいかがでしょうか。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。