誕生日直前、夫がパソコンを見ていて…
誕生日が近づいてきたある日、夫がパソコンで私の好きなブランドのサイトを見ているのをたまたま目撃した私。普段からそのブランドを好きだと夫には話していたものの、価格は安くないため、私はあまり期待せずに冗談半分で「プレゼントしてくれるの?」と夫に尋ねてみました。
いつもなら夫は「ちょっと高すぎるな」などと答えるのですが、そのとき夫から返ってきたのは「どれがいいか全然わからない」とかなり前向きな返答。「もしかして本当に検討してる!?」と驚いた私は、「このブランドの物なら何でもうれしいよ!」とウキウキで返事をしました。
誕生日当日、夫から渡された物は…
「もしかしたら好きなブランドの物をプレゼントしてもらえるかも」と、期待に胸を膨らませて迎えた誕生日当日。
「はい、プレゼント」と夫から渡された袋をワクワクしながら開けてみると……中に入っていたのは、私の好きなブランドではなく、真逆のタイプのブランドの財布だったのです!
あまりにも好みとかけ離れた財布を渡され、反応に困った私は数秒ほど硬直してしまいました。それはかわいすぎるデザインで、私が普段使わない2つ折りタイプの財布です。正直、私が嫌いな要素が詰まった物でした。
私は、誰かからもらったプレゼントがあまり好みでない場合でも、うれしいふりをすることがたまにあります。しかし、今回は「好きなブランドのグッズがもらえるかもしれない」という期待が大きかっただけにショックが大きく、嘘でもうれしいと言うことができませんでした。
数秒ほど固まったのち、私は「私の歳だと、このデザインはちょっとかわいすぎるかもね……」となんとか言葉を絞り出し、オブラートに包んだ感想を夫に伝えました。
私の反応を見て不機嫌になる夫
すると、夫は私がもっと喜んでくれるだろうと思っていたようで、私の反応が予想以上に悪かったため、みるみる不機嫌になってしまったのです。
それからは何を話しかけても夫に無視されてしまい、次第に私自身も「プレゼントの正直な感想を伝えただけなのに、なぜそんな態度をとられなきゃいけないの?」と、この状況を理不尽に感じてきました。結局、この日は夫と大喧嘩になってしまい、喧嘩のあとは会話がないまま夫婦で別々の部屋に寝て、最悪の誕生日となってしまいました。
しかし、翌日。私は時間を置いたことで少し冷静になり、自分の態度の悪さを反省しました。私の好きなブランドではないものの、夫がプレゼントしてくれた財布のブランドも安くはない価格帯です。きっと夫は、私のために奮発してくれたのだろうと思います。
そもそも、誕生日プレゼントをもらえるのは当たり前ではなく、もらえるだけでありがたいものだのだと思い、私は深く反省しました。夫に「せっかく考えてプレゼントしてくれたのに、嫌な態度をとってしまってごめん」と謝ると、夫も「こっちこそ態度が悪くてごめん」と言ってくれ、私たちは無事に仲直り。夫にもらった財布も使うことにしたのでした。
このときは一晩にして2人の関係が一気に険悪になってしまったので、お財布の話題は今では2人の間でタブーとなっています。そのため、夫がなぜ私の好きだと言っていたブランドではなく、違うブランドの財布を選んだのかは今でもわかりません。
夫婦喧嘩の中で自分の好みを正確に伝える難しさを実感したとともに、プレゼントは相手がほしがっているものを渡すのが一番安全だと、お互いに改めて感じた出来事でした。
著者/百田
作画/霜月いく
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