実田さんは、赤井さんにメモ帳トラブルの原因や対応策について話してくれました。実田さんは娘に何かできることはないかと声を掛けてくれていたよう。それを聞いて、赤井さんは実田さんが娘の気持ちに寄り添ってくれていることがわかり少しホッとします。面談を終え娘を迎えにいくと、娘が1枚の手紙を見せてきます。その手紙は娘が指導員さんと一緒に書いたものなのだそう。赤井さんは手紙を見て驚きました。娘は犯人宛に手紙を書いていたのです。一体手紙には何が……!?
娘が書いた犯人宛ての手紙。その驚くべき内容は一体…
娘の通う学童の指導員リーダー、実田さんの積極的な姿勢をみて、この人に任せておけばきっと娘のメモ帳トラブルは解決するだろうとホッとしていた赤井さん。
実田さんとの話し合いを終えて娘を迎えに行く途中、赤井さんは思いました。
「当面、学童内のことは実田さんなら大丈夫だな。信用できそうだ……。安心して利用させてもらえる……」
「ただ、一番私が気になるのは……、娘の気持ちの面だ」
娘とは、メモ帳トラブルについてきちんと話し合いをしていた赤井さんでしたが、娘の気が晴れた様子はなく、実はとても心配していました。
今朝も娘は、「いい、学童に行きたい。友だちに会いたいから……」と言いつつ、険しい表情をしていたのです。
赤井さんが実田さんとの話し合いを終えて、宿題の部屋から娘の待っている部屋へ迎えにいくと、明るい表情である手紙を見せてくれました。
なんとそれは、娘のメモ帳をぐちゃぐちゃにしてしまった人への呼びかけの手紙だったのです。手紙には、「メモちょうをこわしてしまった人へ。だれか教えてください! おこってないよ! 赤井」と書いてありました。
赤井さんは、前向きにトラブルを解決しようとしている娘の姿を見て安心したのと同時に、メモ帳トラブルは無事解決に向かっていくだろうと思ったのでした。
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学童へ向かう前に険しい表情をしていた娘さん。赤井さんは娘さんの気持ちを一番に心配していましたね。しかし、娘さんは自分のメモ帳をぐちゃぐちゃにしてしまった人に向けて呼びかけの手紙を書いていました。わが子にトラブルが起きたら、大人がどうにかしなければ……と焦ってしまう気持ちはあると思います。ですが、子ども自身の問題解決の力を信じ、見守っていく姿勢も必要なのかもしれませんね。