娘のパニ美が見ていたアニメにドハマりしたパニ子。グッズやフィギュアを集めたりイベントに参加したり、今ではパニ美よりもどっぷり! 寝室には大切なコレクションをずらりと並べ、見るたびニマニマしています。
ママ友親子を家に呼んだ日、途端に後悔!
アニメを卒業しはじめたパニ美。今は友だちと遊ぶのが楽しいようで、今日は小学校でできた友だちのアキトを家に呼んで遊ぶことに。
パニ子とパニ美が昼食の準備をしながら待っていると、家のインターホンが鳴りました。
やってきたのは、アキトとその母アユミ。
靴も揃えず上がり込み、なんと、パニ子にすすめられるより前に、用意していた昼食をガツガツと食べはじめたのです。もちろん手土産など持ってきていません。
さすがに呆気に取られたパニ子とパニ美。
「自宅に招待するのは、これっきりかな」
そう思いながら、早く時間が過ぎて欲しいと、ただただ耐えていました。
嫌な予感しかしない
そんなときほど時間の流れというのはゆるやかなもの。
おとなしくゲームで遊んでいてほしいと思うパニ子でしたが、ゲームに飽きたアキトは「かくれんぼしよう」といって聞きません。
「え……勝手に入っちゃダメなお部屋もあるから無理だよ!」
パニ美が制したものの、まったく聞く耳を持たず、アキトはリビングを飛び出していってしまいます。
さすがに止めてくれるだろうとアユミを見ると、
「かくれんぼいいじゃん! パニ美ちゃん鬼ね!」とノリノリ。
これはもう、嫌な予感しかしません。
「子どもがやったことだから許してねw」
「何この変なフィギュア!ウケる~w」
次の瞬間、ガチャン! という大きな音が寝室から聞こえてきます。
嫌な予感は的中!
パニ子が大切に買い集めてきたフィギュアやグッズが棚から落ちて、壊れてしまいました。
膝から崩れ落ちるパニ子を見て、アキトとアユミは大爆笑!
「あら〜ごめんなさいね〜w 子どもがやったことだから許してねw」
悪びれる様子は一切ありません。
泣きたい気持ちを堪え、パニ子は2人を怒鳴りつけましたが、
「たかがフィギュアじゃない。」
「おばさん、怒るとシワ増えるよ〜」
と言い捨てて、アキトとアユミは帰っていきました。
80万円弁償して!
子どもがやったこととはいえ、このままでは済むはずがありません。
パニ子は弁償してもらうことを決め、見積もり書を作成。早速アユミの家に届けにいきました。
ピンポーン♪
インターホンを鳴らすと、アユミが出てきたので、
「この間、アキトくんが壊したフィギュアを弁償してほしくって。これ見積書」
といって、パニ子は総額80万という数字が書かれた見積もり書を渡します。
「な、なによこれ! ぼったくりよ!」
もちろん上乗せなどはしておらず、少し安いくらいの金額です。
一向に払おうとしないアユミ。
そのとき、アユミの夫ユウダイが出てきました。
「あ、逆ギレされるかな……」そんな考えが頭をよぎるも、
「いい加減にしろ! 子どもだからって許されるわけないだろ! 2人でちゃんと謝れ!!」と制してくれます。
思わぬところで味方を得たパニ子。
物わかりの良いユウダイのおかげて、壊れたフィギュアの代金は耳を揃えて支払われたのでした。
この件はみるみるうちに知れ渡り、弁償を求めるママ友がアユミの元を次々と訪ねたよう。なんと、アキトにものを壊されたのはパニ子だけではなく、みんな泣き寝入りしていたのでした。
ユウダイに激怒されたアユミは、弁償するためのお金を稼ぐために休みなく働いているそう。ママ友の家に遊びにいく余裕もないようなので、これ以上被害に遭う人もいないことでしょう。
子どもが友だちのものを壊してしまうことは、誰にでも起こりうること。「子どもだから」という免罪符は通用しません。もしも、「ダメだ」という注意をちゃんと聞いていたら、誠意を見せてしっかり謝っていたら、違った結末を迎えていたかもしれませんね。