共通事項が多くて意気投合
大好きになった彼とは転職先の会社で出会いました。彼は同い年で、会社では1年先輩。私は転職とともに地元を離れ知人も少ない環境だったので、彼が私と同じ街の出身と聞き、たびたび話すようになっていきました。
そのうちに地元ネタあるあるで意気投合。奇跡的に同い年で同じ出身地、結婚してもお互い実家が近いから帰省もラクでいいねと、仲を深めるのに時間はかからず、お付き合いがスタート。早い段階で結婚を意識し、両親にも挨拶を済ませていました。
彼は誰?
同い年で同じ町の出身だと、自分の友人や知人と繋がりがあるのではと知りたくなってしまった私。彼から聞いていた出身校と同じ高校に行った友人がいたので、名前を挙げて彼に聞いてみました。しかし、彼からは「まったく覚えてないし知らない」との返答が。そこで、友人に彼の名前を出し聞いてみたところ「そんな人はいなかった」と言うのです。
そのことを彼に告げると、「実はあまりいい高校に行けなくて……。恥ずかしくて嘘をついちゃった」とあっさり嘘を自白。そして、今度は別の高校名を教えてくれました。
ところが、その高校でも彼を知っている人は誰もいなかったのです。彼曰く、「私立の高校だし、生徒数もかなり多いからわからないでしょ」とのことでしたが、私は知っていたのです。卒業アルバムに彼の名前も写真もないことを。
恐るべし友人ネットワーク
ここまで嘘をつかれるなんて、やっぱり変だし怪しい……。と彼に疑念を抱いた私。何か仄暗い事情でもあるのだろうかと不安になり、心苦しさもありましたが、小学校から高校までの友人すべてのネットワークを使い、彼の素性を調査しました。
そして友人たちの協力もあって、友人伝いでようやく彼と同じ中学校出身の人を発見。そしてなんと彼は……!
彼は中学卒業後、高校へは進学せずにずっと働いてきたそうです。そのことを正直に言ってくれたら……と思ったのですが、もしかしたら、彼は学歴コンプレックスを抱えていたのかもしれません。もちろん学歴がすべてではないと思っていますが、結婚を意識した相手が嘘をつく人だったなんて……と思うと、彼のことが信用できなくなってしまいました。
そして、彼には理由は告げずにお別れすることに。彼も何か感づいたのか、ある日突然、会社を去っていってしまいました。悪い人ではありませんでしたが、たとえ彼と結婚していたとしても、悲しい結果になっていただろうなとあのときを振り返って実感しています。
著者/天木 みみ
イラスト/おんたま
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