33歳・パニ子は、幼稚園に通う5歳の娘と夫ヒカルとの3人暮らし。
ヒカルの収入はごく平均で、パ二子は育児をしながら在宅ワークで家計を支えています。
食べることが大好きなパ二子家族は、休日になると外食することもしばしば。
大好きなグルメ旅をするために、夫婦で仕事も頑張っています。
マウント好きで面倒なボスママ
ある日、ママ友に安くておいしい海鮮丼が食べられるお店を紹介したパ二子。
ママ友の評価は上々でしたが……。
「1000円の海鮮丼!?庶民はかわいそうねぇw」
「わが家は高級お寿司しか食べたことがないから激安海鮮丼なんて信じられないわw」
ママ友との会話に割って入ってきたのは、ボスママのユカリ。
商社に勤めるエリート夫と一緒に、高価なブランド物を身に付けたり、高級店と名の付くお店の常連を気取っています。
自慢話だけならまだしも、とにかく人を見下してママたちの中心でないと気が済まないタイプだから厄介で……。
「ほら、超高級お寿司屋さんのウオタ寿司もわが家の行きつけなのよぉ」と言い出し、しまいには「庶民には一生、縁がないお店よねw」とバカにしてくる始末。
高級寿司店で遭遇!?
そんなある日、いつものようにユカリ家族は例の高級店のウオタ寿司へ。
「いつもの握ってくれ!金はあるから、おすすめのものなんでも出せ!」
ユカリの夫はふんぞり返りながら、次から次へと出てくるお寿司に「うまいうまい!」と家族で食べ始めます。
そこで、ユカリはパ二子家族が1000円の海鮮丼がおいしいと言っていたことを話題に出します。「1000円の海鮮丼なんて、食えたもんじゃないだろうw」と、相変わらず見下した言葉を口するユカリの夫。
「すでに舌が貧乏になっているみたいね。本物を知らないから、何でもアリって感じなのよ、きっとw」
そんなとき、店に入ってきたのはパ二子家族。
「なんであんたが高級店に……?」と、驚きつつも、お互い簡単な挨拶を済ませます。
「1000円ぽっちの海鮮丼で大喜びしている貧乏人の口には合わないかもねw」
と嫌味を言われながらも、気にせずお寿司を注文するパ二子家族。
すると……。
注文したお寿司を食べたパ二子たちから、笑顔が消えたのです。
本物がわかっていない!?
「大将、失礼ですが、これはスーパーの刺身ですよね?」
「は!?」
「鯛も赤身も新鮮さがなく、匂いも独特です。食感も最悪ですし、それにこのネタの切り方は近所の激安スーパーのものと酷似しています」
「な、なに失礼なことを言っているの!そんなわけ……」
パ二子家族の発言に、怒り出すユカリ。
しかし、なぜか大将の額からは汗が滝のように流れています。
すると、大将から「すばらしい!実は本物の味がわかる客がどれくらいいるのか試したくて、激安スーパーの刺身を出してみたんですよ」と、驚きの発言が飛び出します。
「金持ちは”高級”と付くと、それがすばらしいものだと錯覚するヤツが多い。でも、パ二子さん家族は本物の味がわかる人だ!」
「うそでしょ……こいつらが認められるなんて……」
すると、「みんな、会計はいいから帰ってくれる?」と言う大将。
悔しさで顔をゆがめるユカリ家族をよそに、「産地を表示させている以上、スーパーの刺身を提供したら食品偽装だっての!」と、すぐに通報するパ二子家族。
数日後――。
寿司屋は摘発されて閉店に追い込まれ、今は空き店舗に……。
話題の高級店が激安店の割引刺身を提供していたことは幼稚園でも話題となり、金持ち自慢して行きつけだと豪語していたユカリは、みんなから「味がわからない人」認定を受けます。
よほど悔しかったのか、ユカリ一家は引っ越しをして幼稚園も転園したのでした。
「高かろう良かろう」という言葉がありますが、大事なのは値段や品質を見極め、自身が求めているものが得られるかどうか、なのかもしれませんね。
【取材時期:2024年9月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。