タワマン在住の高慢な客に…
ある日、新しく担当になったタワーマンションを掃除していると……。エントランスで住人男性のAさんに遭遇。彼は大声で電話をしながら、手に持っていたコーヒー缶をポイ捨て。実はこれ、初めてではありません。
私は心の中で「またあの人……」とうんざり。そのAさんはいつも非常識な態度で、公共の場所を汚しては私の仕事を増やすのです。
一度、それとなく気を付けてもらえるよう話をしてみたのですが、「ただの掃除屋が偉そうに!」と逆ギレされる始末。さらにその後は、わざと廊下にゴミを捨てたり、調味料をこぼしたりといった嫌がらせまで始めました。ついに私は清掃会社の上司に相談し、タワーマンションの管理人を通してこの問題住人に注意をしてもらったのですが、彼の嫌がらせはヒートアップ。
顔を合わせるたびに、「俺は有名な会社の社長の息子だぞ! お前なんか、使えねぇ清掃員のくせに」と罵声まで浴びせられるようになったのです。
高級レストランにて
気のめいる日々が続く中、娘の誕生日がやってきました。私は久しぶりに家族皆で楽しい時間を過ごそうと高級レストランに行くことにしました。
先に着いた私と娘が、店内に入って両親と祖父母を待っていると……。何と例のタワマン住人がスタッフとして働いているのを発見! 彼は私に気が付くと、信じられない暴言を吐いたのです。
「お前みたいな貧乏人はお断り。スーパーで割引きされた弁当でも食っていろ!」
そして、あろうことか私と娘をレストランから追い出そうとしました。
とそのとき、遅れて来た両親と祖父母が来店。「孫たちはどこかね?」と入り口で店長に尋ねています。店長は「これはオーナー、本日は皆様でお越しいただきありがとうございます!」と笑顔。私と娘は、「あっ、おじいちゃんたちだ!」と席から手を振りました。
自業自得とはこのこと
その様子を見て真っ青になったのは、嫌がらせをしてきた例のタワマン住人ウェイター。というのも、私の祖父母はこの高級レストランのオーナー夫妻だったからです。
「ま、まさか……。貧乏清掃員のお前が、オーナーの親族!?」
「清掃員も立派な仕事。私は皆が気持ち良く暮らせるような空間づくりをするのが好きなの。父親のことをかさにかけて人を見下し、丁寧な接客もできないあなたに言われたくないわ」
娘はすぐさま全員に、どんな扱いを受けたのかを説明。これを聞いた祖父母・両親はもちろん大激怒です。お客様への対応がなっていないスタッフはゼロから訓練をやり直すよう、レストランの店長に苦言を呈しました。
その後、私たちは何事もなかったかのように娘の誕生日をお祝いしました。後日聞いた話では、レストランの清掃係をするのに耐えられなくなった彼は無断欠勤を続けて辞職。放蕩(ほうとう)息子になり果てて、「有名会社の社長」だという父親からも勘当され、タワマンにも住めなくなったようです。
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社長の息子か何か知りませんが、空き缶を投げ捨てたり、レストランに来たお客様を貧乏人扱いして追い出そうとしたり……。もう会うこともないかもしれませんが、本人のためにも、非常識な行動は改めてもらいたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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