学生時代、母が入れてくれたココアの味
今より10年以上も前のこと。当時高校生だった私はとにかく生理痛がひどくて、生理中は学校に行くだけでも大変でした。生理前はイライラや下腹部の痛みに襲われ、生理2日目から3日目にかけては経血量が多く、生理痛もひどいので鎮痛薬が欠かせません。母は「うちの家系は生理痛が重たい人が多いのよ」と言って、生理に苦しむ私をいつもやさしくケアをしてくれました。
母にやさしくしてもらって1番記憶に残っている思い出は、体調的に絶不調だった高校受験のときのことです。このころの私は持病があり、服薬中だったことも影響してか、生理期間中はいつもぐったりしていました。そんな私を心配して、母はいつもココアを入れてくれました。きっと母はココアで体を温められると考えたのでしょう。今でもふと、母が入れてくれたココアの味を思い出すときがあります。
就職活動中、駅のホームで助けてもらった思い出
もう1つ、生理のときに人に助けられた思い出があります。それは私が就職活動中のときのことです。私も大人になり、生理前は早めに寝ておくとか、痛みがひどくなる前に鎮痛薬を服用しておくなど、自分なりに体調管理ができるようになってきました。
就職活動中は会社の説明会や面接などで慌ただしく過ごしていたのですが、ある日、駅のホームで急激な腹痛に襲われました。すぐに「生理前の痛みだろう」とわかりましたが、この日はあいにく鎮痛薬を持っておらず、私はなすすべもなくそのまま駅のホームの隅っこでしゃがみこんでしまいました。
すると、しばらくして「顔色が悪いけれど、大丈夫ですか?」と見知らぬ女性が話しかけてくれたのです。「ここに座ってください」「お水はいりますか?」とやさしく介抱してくれる彼女に対し、私はあまりの痛みでろくな返事もできませんでしたが、椅子に座って落ち着けたことですぐに痛みがおさまりました。
最後、きちんとお礼ができなかったことだけが悔やまれますが、彼女の親切心は今でも忘れられません。
母の愛情深さはもちろん、駅のホームで助けてくださった方のやさしさはいつまでも心に残っています。生理のつらさに耐えるのは自分自身でしかないのですが、それでも誰かに「大丈夫?」と気にかけてもらえると、すごく安心するのだと身をもって体験しました。私もつらい思いをしている女性を見かけたら、積極的に助けに行きたいです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者/秋山柚子
作画/おみき
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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