彼女は思わず声をあげ、その表情は驚きを隠せないようでした。
陰口は誰でも言うもんだよ?
ミツ子の表情と声に動揺が走りました。それもそのはず、これまで自分の気持ちや意見を主張してこなかったマユさん。相手にどう思われるかを気にしてしまうこともあって、今回の発言は緊張を伴うものでした。
珍しいマユさんの発言に驚いてたミツ子でしたが、「勘違いしてない?」とひと言。陰口は自分だけじゃなく、みんなするのが普通だと言うのです。当然と言わんばかりのまさかの返答に「そうなんだ」と、マユさんは一瞬たじろぎながら普通はそうでも、自分にとってはあまり興味のないことだと、精一杯反論を試みます。
「それなら、あの人の話はどうかな?」
マユさんの主張を遮るようにして、ミツ子はさらに他の人の暴露話をしようとしてきました。マユさんの言いたいことが伝わっていないのでしょうか……。
たとえ友人だとしても、自分の気持ちを主張するのが苦手なタイプは案外多いのではないのでしょうか。また、自分の言動が「相手にどう思われるのか」を気にしてしまう人も多いと思います。一生懸命、自分の気持ちを相手に伝えても響いていない場合、あなたならどうしますか?