母の持っていた化粧品に憧れて
私の母はあまりばっちりメイクをするタイプではありませんでした。母が使う化粧台の中には使いかけの口紅やファンデーションが雑にしまってあったのですが、幼い私はなんだかいい香りのする母の化粧品に憧れを抱いていたのを覚えています。
いつか大人になったらメイクをしてみたいと淡い思いを抱きながら成長した私。中学3年生のころ、ファッション雑誌を読むようになってから、ますますその思いは膨らんでいきました。
私の場合、母にメイクを教えてもらうという環境ではなかったので、雑誌のメイク特集を見ながら研究し、おこづかいをやりくりしながらひとつずつ化粧品を集めていきました。
生まれて初めてのメイク
そして高校1年生の春、ついに初めてのメイクに挑戦します。おこづかいをすべて使い、集めた化粧品。お金がかかったので「失敗したくない」という気持ちが強く、何度も何度もイメージトレーニングをおこないました。
マスカラやチークは雑誌を読んでも使い方がよくわからなかったので、使いませんでした。化粧下地にファンデーションを塗り肌を整え、アイブロウで眉を整えます。そして、最後にリップを塗って……。
そして鏡を見ると……目に入ってきたのはバケモノのような私の顔! 思わず「下手くそ!」と声に出てしまいました。
太くて濃すぎる眉毛はやぼったく、ファンデーションは自分の肌色に合っていなかったようで黄色く浮いてしまっていました。さらにリップも似合っておらず、悪目立ちしててしまって……。あんなに張り切って化粧品を集めたのに、全然自分の顔には合っていなかったのです。こんな顔では外に出ることはできないので、半泣きになりながらすぐにメイクを落としました。
生まれて初めてのメイクは大失敗に終わりましたが、それから何度も練習をして、失敗を重ねながら今はいい感じのメイクができるようになりました。自分を美しく見せられるメイクはやっぱり楽しいです。これからも楽しく根気強くメイクの研究をしていきたいです。
著者/匿名
イラスト/藤まる
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