パニ子と夫のケンタは、結婚7年目の夫婦。毎年結婚記念日には娘のパニ美を母に預けて2人でディナーに出掛けています。今年も恒例の記念日ディナーの予約をしていますが、最近ケンタの様子がおかしいと感じていたパニ子。楽しいはずの結婚記念日を前に、モヤモヤが晴れずにいました。
結婚記念日にドタキャン!?
これまで週末はすべて休みだったのに、当たり前のように休日出勤するケンタ。連日の残業に加え、月に3回も出張に出掛けます。それなのに、給料はまったく変化がなく、本当に仕事をしているのかと疑ってしまいます。
それでもやってきた結婚記念日。休日出勤になってしまったケンタとはレストランで待ち合わせることにしました。
しかし待っても待っても現れないケンタ。
2時間後、やっと返ってきたメールには
『悪い、出張が入った! 今もう出張先。仕事だから仕方ないよなw』
と一方的な連絡のみが書かれていました。
せっかく予約したレストラン。2人分の料理を平らげたパニ子は、パニ子の母・パニ代の元にパニ美を迎えに行きます。
「ケンタさんは?」とパニ母に聞かれ、突然の出張で来られなくなったことを伝えます。
「やっぱりね。じゃあ明日はパーっと出掛けよう」
パニ母になぐさめられているように感じ、パニ子は悲しい気持ちを少しだけ忘れることができるのでした。
嘘でしょ!?不倫夫が旅先で出会ったのは……
そのときケンタはというと、パニ子の予想通り、不倫旅行の真っ最中! 浮気相手のアイリと付き合って半年の記念にと、お祝い旅行を計画していました。
「お詫びにプリンでも買ってやったら機嫌もなおるだろうw」
結婚記念日のディナーをすっぽかしたにもかかわらず、1ミリの罪悪感も持っていませんでした。
旅行2日目、ケンタとアイリは観光名所を巡っていました。
「記念に写真撮ろうよ♡」そう言われて、ケンタは鼻の下を伸ばしています。
「よかったら写真撮りましょうか? 」
そう声をかけられて振り向くと、そこにはパニ子の父・パニ郎が立っていました。
「内緒の旅行中なんです♡」
こともあろうにスマホをパニ郎に渡していたアイリ。ケンタと腕を組み、写真を撮る準備は万端です。
「仲がいいねぇ~お2人さん新婚さんかい?」しらばっくれるように話しかけるパニ郎に、「内緒の旅行中なんです♡」とアイリが返します。
「不倫旅行かい。大変だねぇ」
「おじさん察しがいい~w」
2人の会話に、ケンタは頭の中が真っ白になります。
「撮るぞ~。ハイ、チーズ」
写真を撮り終えると、パニ郎はなにごともなかったかのようにスタスタと去っていきました。
「危機管理のできていなさ、あなたたちそっくりね〜!」
硬直するケンタでしたが、パニ郎も同じ男。もしかしたら不倫する男の気持ちをわかってくれたのかと気を取り直し、昼食を食べに近くの蕎麦屋に入ります。
するとそこには、そこにはパニ子とパニ美。そしてパニ子の両親が立っていました。
「あ、さっきのおじさん。先程はどうも〜。一緒にいるのは家族? 仲の良さそうな家族! 私もこんな家族欲しい〜」空気の読めないアイリがペラペラと話し出します。
「お2人、お似合いね〜! 」とパニ子。
実はケンタの不倫に気づいていたパニ美。パニ美から相談を受けたパニ郎とパニ代は、不倫旅行先に乗り込むことを決めました。もちろん、浮気の証拠もしっかり写真や動画におさめています。
「この人、不倫相手との旅行先を娘の前で堂々と選んで予約までしちゃうほど、危機管理できてない人なの。なんでもペラペラ話してしまうあなたと、きっと良い夫婦になれそうね!」
異様な空気を察したアイリ。目の前にいる人たちが、不倫相手の家族であることにやっと気がつきました。自分から不倫を暴露してしまったことを思い出し、その場にへたり込んでしまいます。
これでもう逃げられません。2人仲良く償うしかありませんね。
子どもだと思って油断した夫。娘にはすべてお見通しだったようです。家族を大切にできないばかりか、自分に都合の良い解釈をするのは愚かとしか言いようがありません。
後先考えず、その場の感情だけで動いていた2人。この経験を機に、自分の愚かさに気づけるといいですね。