「お金がない」が口癖の彼
これは夫と結婚する前、私たちが同棲を始めたころのエピソードです。
彼は、私が在籍していた職場から転職していった元同僚。当時流行っていたゲームアプリの話題で意気投合し、2人で食事に行くようになって交際へと発展しました。そんな彼はおしゃれが好きで、ファッションにはそれなりのお金をかけているよう。付き合い当初から、名の知れたブランドの時計やバッグを身に着けていたと記憶しています。
同棲を始めて間もないころ、毎月2人で同じ金額を出し合って、結婚に向けた共同貯金を始めることになりました。
2人で話し合って決めた毎月の貯金額は……私の手取りの半分弱！ 正直、かなり厳しかったです。彼よりお給料が少なく、奨学金の返済も抱えていたので。ただ、私の中のプライドが邪魔して「私だってそれなりに頑張って稼いでいる！」と意地を張ってしまい、高給取りの彼と同じ額を毎月貯金することになりました。
すると、貯金を始めたころから彼が「お金がない」とちょくちょく漏らすようになったのです。私よりも多く稼いでいて金銭的な余裕はあるはずなのに、なぜ彼は「お金がない」と言うのか……。
もしや借金？不安になって彼に尋ねると…
思い返せば、彼とのデートはいつも割り勘。加えて、彼が希望する食事先はだいたいファーストフード店。それなのに、ときどきごっそりとブランド服を買ってくる彼。
「お給料は全部おしゃれ代に使っているの？」「もしかしたら借金がある……？」「結婚の貯金は……！？」とイヤな想像ばかりが膨らんで頭がパンクしそうになった私は、意を決して彼に「最近よくお金がないって言ってるけど、どうして？」と尋ねてみました。
すると、彼は共同貯金を始める以前から、手取りの約半分を先取り貯金していたと言うのです！ そしてそれを結婚のためのお金に当てたいのだとか。現時点で、すでに900万ほど貯まっているとのこと。30代後半にしたら珍しくはない金額かもしれませんが、手にしたお給料を散財することなく、堅実に貯金してくれていたと知り、私は心から安堵しました。
その後、私も転職。3年の交際期間を経て、彼とは32歳のときに結婚しました！
彼曰く、「若いときはモテたくて身なりに気をつかっていたけど、結婚した今はまったく気にならなくなった」とのことで、子どもが生まれたあとの彼は、自分の洋服代を節約してまで、私や子どもにいろいろ買ってくれるようになりました。自分の服は二の次で、プチプラファッションで充分という、おしゃれに対する意識の変わりように、思わず笑ってしまったほどです。
それでも貯蓄グセは健在で、お金のこと、将来のことをちゃんと考えてくれている彼。彼のおかげで今の安定した生活を送れていると思うと、彼と結婚できてよかったと身に染みて感じています！
文：わだななみ／女性・主婦
イラスト：すうみ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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