家事が終わればひとりを満喫! 自由過ぎた私
夫は現役時代、早朝出勤して夜は遅く帰宅するハードな生活を送っていました。夫には悪いけれど、その分私は自由の身でした。子どもたちが独立して家を出てから15年。夫婦だけの生活だったので、夫を仕事に送り出してしまえばもうこっちのもの! 家事さえ片付けてしまえば何をしようと誰にも文句は言われません。大好きな手芸に没頭したり、友だちとのランチ、映画やショッピングに出かけたり……。とにかく身軽で、自由過ぎた私。
夫は教育的にも家事分担などを教わってこなかった世代で、現役のときはほとんど家事をしたことがありません。もともと夫は不器用なので、慣れない家事を一から教えて、手伝ってもらおうなんて思ったこともありません。期待もしていませんでしたから「もう少し家事をやってよ!」みたいなことを言って、もめることもなかったのです。自分でさっさと終わらせて、あとは自由を満喫していました。
夫の定年後、私が外で働いたことが奏功した
そして、ついに昨年、再任用も終わり夫が63歳で晴れて退職。いつでも夫婦2人、毎日が休日のような生活が始まったのです。しかし、私はまだアラフィフ! 老後なんてまだ早い! そこで以前から計画していたことを実行に移しました。
それは、今度は私が外で働く!ということ。結婚以来、自宅で塾をしたり、パン作りを教えたり、ずっと仕事はしてきました。仕事の合間に家事ができるというメリットがある一方で、家族には仕事として認識されていなかったというマイナス面もありました。
そこで、夫の退職を機に私も外で働いてみようと考えたのです。これは結果的に、夫が家事に目を向ける良いチャンスになりました。まずは洗濯物からマスター。次はごみの分別とごみ出しの日を覚えて、全部やってくれるようになりました。もう万々歳です!
私はそのたびに少し大げさなくらいに喜ぶことにしています。「わぁ~助かるわ~」「すごいね! もうプロみたいだね」 「私よりじょうずだよね」 なんて言って調子にのせています。喜び方はオーバーですが本当に助かっています。今のところ、私の計画はすべて思い通りに進んでいるなと感じています。
お願いじょうずが夫を育てる=夫婦円満の秘訣
最近では、お昼にラーメンを作ってくれたり、食事が済んだらお皿を片付けてくれたり、だんだん家事にも慣れてきました。私はしなくていい家事が増えた上に自由時間も増えて、夫が仕事をしていたころとなんら変わらない自由さを感じています。ただ私が体を壊してしまい、外での仕事は辞めなくてはならなくなりました。また家での仕事だけに戻りましたが、それでも夫は相変わらず家事をしてくれています。
私がこの1年で気付いたことは、「お願いじょうずが夫を育てる」ということ。これまでは頼むより自分でしたほうが早いし、面倒がないと考えていました。でも、今は「脱衣場の棚が欲しいなぁ~」とか「今日は布団を干さなきゃ」とか「換気扇を洗わなきゃ」などとつぶやくと、「僕がやるよ」というようになったのです。
そのおかげで私の家事の負担がずいぶん軽減されました。自宅でのパン教室がない日は、午前10時から午後4時まで執筆活動にも専念できています。今では私のほうがちょっと家事を手抜きしているような気分になることさえあります。
まとめ
時には、夫がしてくれる家事にちょっとクレームを入れたくなることもあります。でも、そこは目をつぶっています。「これまでわがまま勝手にしてきたから、これからは君の喜ぶことをすると誓ったんだ」と言ってくれた夫の言葉や、苦手でも頑張ってくれていることがうれしいから。
暮らしていく中で、お互い気に入らないこともあったりします。でも、お互いを思いやる気持ちが何より大切で、夫婦の絆を強くするのだと学ぶ日々です。そして、夫婦で過ごす時間とお互いの趣味を楽しむ時間をハッキリと区別しておくのも大切。私の場合は、夫が家事に参加してくれることで、趣味を楽しむ時間も増えました。こんな感じで、夫婦2人生活を楽しんでいます。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/すうみ
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