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「検査してよかった!」自覚症状がないまま進行する緑内障予備軍であることに気付いて【体験談】

40代後半から更年期障害や2型糖尿病を発症した経験により、私は年に一度、夫の会社の健康保険組合を通してファミリー健診を受けるようになりました。そして、健診のオプションにあった眼科検診を受けることで、まったく無症状のうちに進行する緑内障予備軍であることに気付いた体験をご紹介します。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師田辺直樹先生

田辺眼科クリニック院長。日本眼科学会認定専門医。札幌医科大学医学部卒業。名鉄病院、名古屋大学、知多市民病院で眼科医員、公立学校共済組合 東海中央病院で眼科医長を務めたのち、2004年に地元愛知県名古屋市にて、田辺眼科クリニックを開院。子どもからお年寄りまで幅広い目の悩みに対するきめ細かいケアに定評がある。
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眼科健診で高眼圧を指摘される

ある年、いつも通り、夫の会社を通して定期健診を予約しようとしました。そこでふと目に入ったのが「眼科健診オプション」。そういえば、糖尿病内科の先生から眼科も受診するように言われていたことを思い出して、3,000円の眼底検査・眼圧検査オプションを追加しました。

 

健診当日は眼底検査で使用する目薬のせいでいつもよりまぶしさを感じることがあるから、必ず公共交通機関で来院するようにと注意がありました。眼圧検査は片目ごとに空気を当てる、私が苦手なタイプの検査。ただ、眼底検査の目薬は痛みやまぶしさを感じることはありませんでした。

 

後日届いた健診の結果を見ると、眼圧の値が正常より高すぎるため、早めに眼科を受診するようにとの記載が。まったく自覚症状がなかった私はとても驚いて、近所の眼科を初めて予約することにしました。

 

高眼圧のため詳しい検査を受けることに

健診結果を持って眼科を受診。改めて視力を含めた検査を受けました。診察室に入ると、先生から「目の見え方で気になるところはないか」と質問されました。私は何不自由なく日常生活を送っていることを伝えました。すると先生からは、「眼圧の値が28mmhgと高く、このままでは緑内障へと進行する可能性が高い」と説明があって、予約を取り直してもう少し詳しい検査をしたほうが良いと勧められました。

 

単語としては聞いたことがあったけれど、どんな病気かもピンとこない「緑内障」。不安な気持ちを抱えながら帰宅することになりました。そして改めて予約した日に、視野検査と隅角(ぐうかく)検査を受けました。視能訓練士さんから、視野検査とは視野に欠損(欠けている部分)がないかどうかを調べる検査で少し疲れやすい検査であること、両目の検査が終わるまで30分程度かかると説明を受けました。

 

光が見えるとボタンを押すように言われて検査が始まります。思ったより負担が少ない検査のように感じました。一方、隅角検査は涙が通る道がふさがっていないかを確認する検査だそうです。麻酔を点眼してからレンズを目にのせられるのがとても怖い印象でした。        

 

 

検査の後で目薬での治療を始める

詳しい検査の結果、今のところ視野欠損は認められず、詰まっていると眼圧が上がりやすくなる隅角と呼ばれる部分も詰まっていないことがわかりました。しかし、今の状態が「高眼圧症」という病気にかかっている状態であること、このまま高い眼圧を放置すると、いずれは緑内障へと進行する例が多いことについて先生から説明がありました。また、2型糖尿病で治療を続けているなら、定期的な眼底検査を必ず受けるようにとのことでした。

 

先生の説明は、高血糖な状態が続くと血管がもろくなって、糖尿病の恐ろしい合併症である糖尿病性網膜症が起きる可能性があること、そうなった場合は失明するかもしれないこと、防ぐには自覚症状が表れる前に、定期的に眼底検査で目の中の血管に出血が認められないかを観察する必要があること、というものでした。

 

そこで、私は眼圧を下げる目薬で高眼圧症を治療しながら、3カ月に一度眼底検査で網膜の状態を確認してもらうことになったのです。目薬はラタノプロストと言う名前のものを処方していただきました。1日1回朝に点眼を続けています。

 

まとめ

子どものころから視力が良く眼科を受診する機会がなかったので、私にとって正直なところ眼の検査は苦手なものが多いです。眼圧検査では毎回目を開けていられず閉じてしまうので、看護師さんにまぶたを押さえてもらっています。

 

今回の体験を通して、軽く考えていた糖尿病の合併症の怖さについて先生からしっかりと説明を受けることができました。基本的な健康診断では眼については視力検査しかありません。しかし、眼科オプションを健診に加えたことで、自覚症状がないまま進行していく緑内障や糖尿病性網膜症が起きる可能性と高眼圧症に気付け、早期に治療を始めることができて本当によかったと感じています。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

イラスト/サトウユカ

 

 

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著者:吉本まな

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