恥ずかしくて仕方なかった
私が初潮を迎えたのは、小学校5年生のときです。その日は朝から体調が優れず、学校を欠席。そして、トイレに行くと下着が真っ赤に染まっていました。出血していることに驚き、大事件だと思った私は、下着を手に母の元へ。そして、大きな声で「股から血が出た」と叫んでしまったのです。
すると、母はニコニコ笑って「お赤飯を炊かなきゃね」と言います。母の言葉に、私は「母が冗談を言っている」と思い泣き出してしまいました。すると母が、「あなたは初潮を迎えたのよ。おめでたいことだからお赤飯を炊くのよ」と教えてくれました。けれども私はうれしさよりも恥ずかしさのほうが大きく……。
おまけに、母が父にも初潮がきたことを伝えてしまったので、ますます恥ずかしくなってしまいました。夕食のお赤飯はおいしかったですが、あまりの恥ずかしさに私は終始うつむいていました。
違和感しかなかった
それから初潮を迎えて、初めて生理用ナプキンの存在を知りました。ただ、なんとなく恥ずかしくて母にも使い方を聞けなくて……。私はナプキンの使い方がわからないま、テープを剥がしてナプキンを下着につけてみました。けれども、こんなに薄いもので経血を吸収できるのか不安になり、私はその上にもう1枚ナプキンを重ねてみることに……。
ナプキンを2枚重ねにすると股のあたりがゴワゴワして歩きにくく、かなりの違和感があって授業に集中することができませんでした。階段を上がり下りするだけでも大変で、私の歩き方がおかしかったからか、友だちからも「どうかしたの？」と聞かれて恥ずかしかったです。
その日は1日中ナプキンが不快だったので、帰宅後思い切って母に相談しました。母は半ばあきれた様子で「わからないならもっと早く聞いてよ」と言いながら、ナプキンの使い方を教えてくれました。
大人になった今は、初潮や生理は決して恥ずかしいものではないとわかりますが、小学生の私にとっては得体の知れないもので、生理について話題にすることさえ抵抗がありました。もし今後、娘をもつことがあれば、不安にならないようにしてあげたいです。
著者／井上亜希子
監修／助産師 松田玲子
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