不妊治療の果てに待望の赤ちゃんを授かった未華子は、夫の洋平と2人暮らし。
義母から「孫はまだか」と言われ続けていたので、少し肩の荷が降りた気分でした。
妊娠を心から喜んでくれる洋平と話し合い、お互いの両親には安定期に入ってから報告することを決めました。
妊娠中に送られてくる食材は…
妊娠を機に、孫の誕生を心待ちにする義母からのプレッシャーから少し解放された未華子。
「うちの母さん、本当にデリカシーがなくてごめんな」と、いつも洋平は代わりに謝ってくれます。
義母に対して苦手意識はあるものの、未華子は妊娠を機に関係が良くなることを望んでいました。
数カ月後――。
安定期を迎えた未華子は、義母に妊娠したことを無事に報告。
すると、事あるごとに義母はたくさんの食材を未華子に送ってくるようになりました。
しかもその食材の多くが生の魚介類。
妊娠中は食中毒になりやすく、赤ちゃんにも影響が及ぶ可能性があるため生食を避けていることを伝えるも、「新鮮だから生でも大丈夫!せっかく取り寄せたんだから!」と引きません。
つわりがひどくてあまりごはんも食べられていないことを伝えると、今度は「妊娠のお祝いも兼ねて、今後みんなで食事をしましょう!」と言い出す義母。
食べられる物が限られているので、せっかく用意してもらっても食べられないと申し訳ないから……と伝えるも、強引な義母に根負けして食事会の約束を交わすのでした。
お祝いケーキをゴミ箱に!?
食事会の当日――。
義母と一緒にいる洋平からメッセージが届きます。
「今すぐ母さんに土下座して謝れ!」
「おなかの子の命を奪おうとした人に?私が?」
「は……?」
義母との食事会で、なんと未華子は義母が作ったケーキをゴミ箱に捨て、その場を去っていました。
状況をつかみきれない洋平に、未華子は「そっちには戻らないし、子どもが生まれてもお義母さんには抱かせない」と言い放つのでした。
事の発端は、義母が作ったケーキがナチュラルチーズを使用したレアチーズケーキだったこと。
妊娠中は一般の人よりもリステリア菌に感染しやすく、食中毒になる可能性が高まります。赤ちゃんに影響が出ることがあるので、妊娠中はとくにナチュラルチーズなどの加熱殺菌していない食べ物は避けたほうが良いとされています。
※参考:厚生労働省「これからママになるあなたへ」
悪意に屈しない!
未華子は赤ちゃんのために食べ物に気を遣っていたのにもかかわらず、義母は以前にも妊婦は避けたほうが良いと言われている魚介類なども未華子に送りつけていました。
初めこそ、義母が知らずにやっていることと思って見過ごしてきた未華子でしたが、今回のケーキの一件で「わざとやっている」と気づきます。
おなかの子にも危害が及ぶ可能性があるのにもかかわらず、嫌がらせをすることで自分の欲求を満たしていた義母に、とうとう堪忍袋の緒が切れた未華子。
悪意で用意されたケーキに、すべての怒りをぶつけたのでした。
事情を知った洋平は未華子に謝罪し、今後一切義母と会わないようにしてくれました。
その後、義母は「ちょっと困らせてやろうと思っただけ。それに私の時代では、普通に食べていた物ばかりよ!」と言い訳してきますが、未華子は「もうあなたに関わりません」と、義母と縁を切ったのでした。
その後、無事に出産し、大切な家族と仲良く暮らしている未華子。
やっと授かることができた小さな命を、これからも守り抜くと心に誓うのでした。
常識的な限度を逸脱しては、「悪ふさげ」では済まされませんよね。軽はずみな言動によって命が脅かされるようなことは絶対にあってはなりません。