父との面会はスーパー銭湯と自宅のお泊まりがお決まりのコースでしたが、父のことが好きなあおいさんにとって大切な時間でした。
ある面会日のこと、あおいさんが持っていた鍵に目をつけた父は、自分が預かるふりをして合鍵を作り、母がひとりのタイミングを狙って家に訪問。
恐怖に怯える母は警察呼ぶから今すぐ出てってと父を追い出すのでした。
「ママ、ピンちゃんとお付き合いしてもいいかな…?」
元夫に対する恐怖心と、ひとりで4人の子どもを育てる不安と孤独。
そんな母の心の隙間に、「あの男」が入り込んでくるようにーー。
母は父の職場の後輩のことを「ピンちゃん」と呼び、長女のあおいさんに交際の相談をします。
交際前から毎日家に来るようになっていた男との同居に母自身は前向きではなかったものの、仕事と資格取得の勉強で家を空けることが多いため、子どもたちだけよりは安心と事実上は同居状態に。
母の帰りは遅く、ピンちゃんと過ごす夜が増えていったあおいさんたちでしたが……。
食事中の正座やテレビ禁止など、しつけと称した自分ルールを課すだけでなく、食卓を囲むときは家族団欒として今日一日の出来事を話すよう、あおいさんに強要。
気の強い次女あかりはピンちゃんの横暴な態度に反抗します。
思い通りにならないと機嫌を損ねて部屋に閉じこもるなど大人らしくない行動や、子どもたちに対する支配的な態度も母に言えばなんとかなると思っていたのですが。
母に助けを求めたあおいさんたちに待っていたのは、ピンちゃんからの報復だったのですーー。
◇ ◇ ◇
食事中の正座やテレビの禁止だけでなく、今日一日の出来事を話すことを求める。
父親たるもの、躾たるもの、こうあるべきというピンちゃん自身の家族観だったのでしょうか。
長女のあおいさんがまだ小1という年齢でこのルールはあまりにもハードルが高いものです。みなさんの家庭では食事中にどんなルールを決めていますか?