手作りの浴衣
中学2年の冬に転校し、私は新しい中学に入りました。その時期から運動部には入ることができなかったため、興味はそこまでなかったものの和菓子目当てで茶道部に入ることに。
中学最後の文化祭ではお点前を披露することになりました。祖母にその話をするととても喜び、裁縫が得意な祖母は手作りの浴衣を作ってくれることに。私の好みをリクエストして文化祭のリハーサルのときまでどのような浴衣になるかは秘密でした。そしてリハーサルの日に渡されたのは花柄の浴衣。
文化祭前日
私は毎月1週間程度、生理の開始日にずれがあり、文化祭前日に嫌な予感がしていました。その日は朝からおなかがずきずきしていて普段より食欲もあり、トイレへ。やはり生理になっていて嫌な予感は的中。
私の場合、生理1日目より2日目のほうが体調が悪くなるので、前日のお点前のリハーサルをするときには暗い顔に。指導の先生に「お点前はちゃんと覚えているからそんなに緊張しないで」と言われてしまったほどでした。しかし私はその悩みではなく、生理で不安なことを言えずに当日を迎えることに。
足のしびれより…
文化祭当日を迎えいざ本番! 午前と午後の部で2回お点前の披露がありました。いつも正座をしていると足がしびれしまっていた私。しかし、足のしびれの心配よりも私の頭の中はすでに生理のことでいっぱい。
その後、無事にお点前の終わり、立ち上がったとき、足のしびれで少しよろめいてしまいました。そのときに周りのお客様から一瞬どよめき……即座に姿勢を立て直したので間一髪。何も落とさずに終わりました。
私は恥ずかしい気持ちと同時に、よろめいたタイミングで経血が漏れているような感覚が。お客様が帰ったあと、私はすぐにトイレに駆け込みました。ナプキンから漏れてはいなかったのでホッとひと安心。そのこともあって、午後の部は少し安心しながら披露できました。
多い日用のナプキンをつけていたおかげで、経血の漏れが浴衣に付着することはなく一件落着しました。祖母が作ってくれた思い入れのある大切な浴衣だったので、そのまま着続けましたが、ヒヤヒヤとした経験でした。
著者/伊東理恵子
イラスト/マメ美
監修/助産師 松田玲子
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