すさまじい音と光景に頭が真っ白
娘は3歳になって、少しずついろいろなことができるようになっていました。危ないこともすることがなくなり、私は安心していたのです。その日は夜ごはんを食べて、娘は隣の部屋で遊び、私はダイニングで少し休憩をしていました。
ダイニングと娘が遊んでいた部屋の間には引き戸があり、半分閉めていたので、娘の姿は見えなくなっていました。すると「ガラガラどっしゃん」とすごい音と娘の泣く声が聞こえてきたのです。
慌ててかけつけると……娘はテレビの下敷きになっていました。
見慣れない光景に私は頭が真っ白になり、状況がわかりませんでした。すぐにテレビを持ち上げようとしましたが、もともとのテレビの重さにテレビ台の重さ、そして妊娠中であまり力が出なかった私。しかし、とにかく娘を出さないと!と思い、娘を引っ張りました。
無我夢中で…
テレビが重た過ぎて娘を救出できず、無我夢中でテレビを持ち上げました。どんな力が出たのかわかりませんが、テレビ台もテレビも元の位置に。娘の容態に異常がないか見てみたところ、とくに変わった様子はなく、おでこをすりむいただけでした。
落ち着いてから娘に話を聞くと、テレビ台に上って、物を取りたかったとのことでした。テレビ台が移動式なのでバランスが崩れたようです。
その後も特に異常はなく、年中の娘は元気に暮らしています。そのときのことをしっかりと覚えているようです。テレビ台に乗ってはいけないということが娘の中に身につき、乗らないようになりました。また私も子どもから目を離さないようになりました。休憩中も目の届く範囲にいるようにしています。地震対策が思いもよらぬことになったけれど、私たち家族にとって良い教訓にもなりました。
著者:よこやなお
保育園年中の娘、1歳の息子、夫との4人暮らし。教育関係で働いていた経験を生かして、子育てのジャンルを中心にライターとして活動中。