夜間診療所へ駆け込む
長男が「のどが痛い」と言い出したのは、ホッケを食べたすぐあとだったので、私は骨が刺さったのだとすぐにわかりました。当時の時刻は、午後6時半を過ぎたころでした。
すぐに病院に行こうと思いましたが、地元の耳鼻科や小児科はもう終わっている時間だったため、電車で30分ほどの場所にある夜間診療所の耳鼻科へ。電車の中でも、問診表を書いている間も長男は「痛い」と言いながら、涙目になっていました。
目視では見えず、衝撃の処置
いざ診察室へ入ると、まずは先生がのどを目視。「骨のような物が見えるけれど、ちょっと見にくい」とのことでした。続いて先生が「鼻からカメラ入れますね~」と言って準備したのは、先端にカメラが付いたコードだったのです!
私は口からピンセットのような物を入れて取るのだろうと想像していたので、少し驚きました。本来なら母親が子どもを抱いた状態で座り、処置を受けるそうですが、私は妊娠9カ月だったため抱くことができず、看護師さんが代わりに抱っこしてくれました。
カメラに涙が止まらない長男
長男は恐怖でいっぱいの表情をしながら、ずっと私を見ていました。カメラが鼻の中に入ると、長男は声も出せず、目から涙が溢れていました。私がホッケの骨を取り損ねたせいで、長男にここまでつらい思いをさせてしまい、とても申し訳なく思いました。
結局、カメラには骨が映らなかったとのことで、撮影を中断すると「もう痛くなくなった」と言い始めた長男。念のため、もう一度カメラを入れて確認してもらいましたが、骨は見えませんでした。先生は「1回目にカメラを入れたときに取れたのではないか」とおっしゃり、長男もいつも通りの元気な様子に戻りました。
魚の骨には気をつけなければいけないとわかっていましたが、結局、私のミスで長男につらい体験をさせてしまいました。この出来事以来、私は骨のある魚は一切あげていません。小骨まで取った状態で売っている魚や、お刺身を使って調理しています。長男が自分で骨に気つけるようになるまで、このまま続けようと思います。
※魚の骨がのどに刺さったときは、無理に取ろうとしたり、ご飯を丸のみさせたりする行為はNGです。受診の際は、耳鼻咽喉科に相談すると良いでしょう。
著者:土田えり子
2人の男児の母。元記者で、現在はフリーランスとして企業のリリース記事や、自身の子育て体験談などを執筆中。